「人見知りで、何を話せばいいかわからない……」 「沈黙(ちんもく)が怖くて、つい焦ってしゃべりすぎてしまう」 「もっと会話がうまかったら、人気者になれるのに」
そんなふうに悩んで、人と会うのが少し億劫(おっくう)になっていませんか? テレビに出ている芸人さんのように、面白い話でみんなを笑わせるなんて、自分には無理だと思ってしまいますよね。
でも、安心してください。 コミュニケーションの達人になるために、「面白い話」はひとつも必要ありません。 実は、あなたの周りにいる「話し上手」に見えるあの人も、実は「話すこと」よりも「あること」を大切にしているのです。
今回ご紹介するのは、永松茂久(ながまつしげひさ)さんの大ベストセラー『人は話し方が9割』の内容と、それを解説する動画からです。 この本が教えてくれるのは、「話すのが苦手でも、誰からも好かれる魔法」です。
今日からすぐに使える、人生が変わる「会話の秘密」。 一緒に見ていきましょう!
1. どうして「話す」より「聞く」が大事なの?
多くの人は、「コミュニケーション=上手に話すこと」だと勘違いしています。 でも、この本では「聞くことが9割」、つまり会話の主役は「聞き手」だと言い切っています。
なぜでしょうか? それには、人間の心にある「2つの強い願い」が関係しています。
① 人はみんな「安心」したい
人間にとって一番大切なもの。それはお金でも恋人でもなく、「安心感(あんしんかん)」です。 どれだけ美味しいご飯があっても、銃(じゅう)を突きつけられていたら味なんてしませんよね? まずは「ここは安全だ」「この人は敵じゃない」と思えないと、人は心を開いてくれません。
② 人はみんな「自分の話」をしたい
赤ちゃんは生まれてすぐに「オギャー」と泣きますよね。これは「声を出す(アウトプットする)」ということです。 人間は、話を聞くことよりも、自分のことを話して「わかってほしい!」と思う生き物なのです。 トイレに行きたくて我慢できないときに、「ダメです」と言われたら辛いですよね? 自分の話を止められるのは、それと同じくらいストレスが溜まることなのです。
だからこそ、その「話したい欲求(よっきゅう)」を満たしてくれる「聞き上手」な人は、砂漠(さばく)の水のように貴重で、みんなから愛されるのです。
2. 誰でも「会話の達人」になれる!基本の5つの技
では、具体的にどうやって聞けばいいのでしょうか? ただ黙って聞いているだけではダメです。「あなたの話、楽しいよ!」ということを体全体で伝える必要があります。 動画で紹介されている、「リアクション美人」になるための5つの基本技を紹介します。
その1:笑顔の「先出し(さきだし)」
多くの人は、「面白い話があったら笑うよ」と構えています。 でも、これでは相手は緊張してしまいます。 挨拶(あいさつ)と同じで、あなたから先にニコッと笑うのです。 「私はあなたの敵じゃないですよ」という笑顔を先に見せることで、相手は安心して話し始めることができます。
その2:うなずきの「弱・中・強(じゃく・ちゅう・きょう)」
「うんうん」とうなずくことは、「肯定(こうてい=いいですね!)」のサインです。 ただ一定のリズムでうなずくだけでなく、強さを使い分けましょう。
- 弱: 普段の会話(ふんふん、と軽く)
- 中: 相手が力を込めたとき(なるほど!)
- 強: 深く共感したとき(ええーっ! 本当に!?)
これができると、相手は「ノッて」話せるようになります。
その3:体は「前のめり」
背もたれに寄りかかって腕組みをしていると、「俺を楽しませてみろ」という偉(えら)そうな態度に見えます。 椅子に座っていても、少しだけ体を前に出して、おへそを相手に向けましょう。 「あなたの話に興味津々(きょうみしんしん)です!」という姿勢を見せるのです。
その4:笑わせるより「笑う」
会話が上手な人は、面白いことを言う人ではなく、よく笑う人です。 「笑わせなきゃ」と思う必要はありません。「笑ってあげよう」「この話を楽しもう」と思うだけでいいのです。 相手の話にニコニコして、面白いところでは声を上げて笑う。これだけで相手は「自分を受け入れてくれた!」と嬉しくなります。
その5:驚き(おどろき)と称賛(しょうさん)
これが最強のコンボです。 まず、相手の話に「えー!」「すごい!」「はー!」と**感嘆(かんたん=驚くこと)します。 そのあとに、「さすがですね」「素敵ですね」と称賛(ほめる)します。 実は、「ほめる」ことよりも、最初の「驚く」リアクションのほうが大事です。食レポでも、食べた瞬間の「わあ!」という顔がおいしさを伝えますよね。
3. これをやったら嫌われる! 絶対禁止の「4つの行動」
基本の技ができても、これをやってしまうと台無しになってしまう「NG行動」があります。 ついついやってしまいがちなことばかりなので、注意しましょう。
① 否定(ひてい)しない
「でも」「だって」「それは違うよ」と言っていませんか? 相手が「パンの中ではあんパンが一番好きなんだ」と言ったときに、「えー、クロワッサンでしょ」と否定するのはやめましょう。 たとえ意見が違っても、まずは「いいね!」と受け止めます。 否定された瞬間、相手は心を閉ざしてしまいます。
② 話をコントロール(運転)しない
相手が話している途中で、「要するにこういうことでしょ?」「結論は?」と急かしたり、「あ、私もその経験ある!」と自分の話に変えたりしてはいけません。 これは、相手が運転している車のハンドルを横から奪(うば)うようなものです。 話が脱線(だっせん)しても、最後まで気持ちよく話させてあげましょう。
③ 勝手に解決(かいけつ)しない
悩み相談をされたとき、「こうすればいいんだよ」とアドバイスしていませんか? 実は、相談する人は解決策なんて求めていないことが多いのです。ただ「大変だったね」とわかってほしいだけ。 服屋さんで、頼んでもいないのに「これが似合いますよ!」と勝手にレジに持っていかれたら嫌ですよね? それと同じです。
もしアドバイスしたくなったら、魔法の質問をしましょう。 「あなたはどうなったら嬉しい?」 答えは相手の中にあります。
④ 難しい言葉でマウントを取らない
「エビデンス(証拠)は?」とか「コミット(約束)して」とか、難しいカタカナ言葉を使って賢(かしこ)ぶるのはやめましょう。 相手は「バカにされた」と感じてしまいます。 誰でもわかるような、優しい言葉で話すのが本当の賢さです。
4. この「聞き方」のメリット・デメリット
この「聞き方」を実践すると、どんないいことがあるのでしょうか?
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 効 果 | ● 誰からも好かれる: 安心感を与えるので、みんながあなたと話したくなります。 ● 知識が増える: 人の話を聞くのは「読書」と同じ。新しい世界を知ることができます。 ● 語彙(ごい)力がなくてもOK: 「へー」「すごい」などの相槌(あいづち)だけで会話が成立します。 | ● 全員にやるのは疲れる: 嫌いな人の話まで全力で聞く必要はありません。 ● 自分が話せない: 聞き役に徹(てっ)するので、自分が話したい欲求は別の場所で満たす必要があります。 |
5. 一番大切なのは「テクニック」より「心」
ここまで色々なテクニックを紹介しましたが、一番大切なことをお伝えします。 それは、「内容は聞かなくていい、感情を聞く」ということです。
例えば、友達が「コインロッカーに荷物を預けたら、なくなっちゃったんだよ!」と話したとします。 ここで「え、どこの駅のロッカー? 鍵はかけたの?」と事実(内容)を確認してはいけません。 友達が伝えたかったのは、「大切なものがなくなって悲しい、悔しい」という感情です。
だから正解は、「ええっ! それはショックだね……大丈夫?」と、感情に寄り添うことです。 一緒に驚いて、一緒に悲しむ。それが「聞く」ということです。
嫌いな人には「無」になろう
「でも、嫌いな上司の話も聞かなきゃいけないの?」 いいえ、そんなことはありません。 この聞き方は威力(いりょく)がすごいので、大切な人、仲良くなりたい人だけに使ってください。 どうでもいい人や嫌いな人には、逆におへそを逸(そ)らして、無表情でいればいいのです。そうすれば、相手は話す気がなくなって離れていきます。
6. まとめ:聞き上手は、人を幸せにするヒーローだ
『人は聞き方が9割』から学ぶ、今日からできるアクションプラン。
- まずは笑顔: 会った瞬間にニコッとして、「敵じゃないよ」と伝える。
- 全力で肯定: 「でも」は封印。「いいね!」から会話を始める。
- リアクション美人: 驚いて(感嘆)、ほめて(称賛)、よく笑う。
- 感情に寄り添う: 話の内容よりも、「嬉しかった」「悲しかった」という気持ちを受け止める。
ある刑事が言ったそうです。 「犯罪(はんざい)を犯す人の多くは、孤独(こどく)だ。誰か一人でも話を聞いてくれる人がいれば、踏みとどまれたかもしれない」
人の話を聞くということは、ただの会話のテクニックではありません。 相手の存在を認めて、孤独から救い出すことなのです。 あなたの「うんうん」といううなずき一つが、誰かの心を救うかもしれません。
まずは今日、家族や友達の話を「へー! すごいね!」と笑顔で聞いてみてください。 きっと、相手の笑顔が増えて、あなた自身ももっと幸せな気持ちになれるはずですよ。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 あなたの毎日が、温かい会話と笑顔でいっぱいになりますように!
- Q話すのが苦手というより、人見知りで会話が続かないのですが、役に立ちますか?
- A
はい、人見知りの方にこそ最強の武器になります。 「笑顔でうなずく」「驚く(リアクション)」といった聞き方の型(カタ)を覚えるだけで、自分から話題を提供しなくても会話が自然と盛り上がり、相手から「また話したい」と思われるようになります。
- Q前作『人は話し方が9割』を読んでいなくても楽しめますか?
- A
はい、全く問題ありません。 前作の内容を知らなくても理解できるように書かれています。むしろ、「話すこと」に苦手意識がある方は、本書(聞き方)から読み始めた方が実践しやすいかもしれません。
- QKindle UnlimitedやAudible(聴く読書)の対象ですか?
- A
はい、Audible版も非常に人気があります。 「聞き方」の本なので、実際の会話のテンポや相槌の間(ま)を耳で学ぶのは非常に効果的です。通勤・通学中に聞き流すだけでも、自然と聞き上手なリズムが身につきます。

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