社会派ブロガー・ちきりんさんのベストセラー『自分の意見で生きていこう』。
「周りの目が気になって、自分の言いたいことが言えない」 「ネットの情報に振り回されて、何が正解か分からない」
そんな悩みを持つ方に向けて、小学生でも分かるように、この本のエッセンスを優しく、かつ深く解説します。
「ねえ、これってどう思う?」と聞かれたとき、ドキッとして周りの顔色をうかがっていませんか? 「みんなが良いって言ってるから、多分いいんじゃない?」 そんなふうに、誰かの答えを自分の答えにしてしまうこと、ありますよね。
私たちは学校で、「正解はひとつ」だと教わってきました。 テストには必ず正解があって、それを間違えるとバツがつきます。 でも、大人になってからの人生には、「たったひとつの正解」なんてないことがほとんどです。
この本は、そんな「正解のない世界」をスイスイ泳いでいくための、「自分の意見」という最強の装備の作り方を教えてくれます。 著者のちきりんさんは、月間200万PVを誇るカリスマブロガー。彼女が教えてくれるのは、ただのおしゃべりスキルではありません。 「他人からの『いいね』を待つ人生」を卒業し、「自分で自分を認められる人生」を手に入れる方法です。
1. 世の中には「2つの問題」しかない
まず最初に、頭の中を整理しましょう。 私たちが直面する問題は、大きく分けて2種類しかありません。
- 正解のある問題
- 正解のない問題
この2つをごちゃ混ぜにしていると、いつまで経っても悩みから抜け出せません。
① 正解のある問題
これは、学校のテストのようなものです。
- 「1+1は?」→「2」
- 「今年の消費税は何%?」→「10%」
- 「東京から大阪までの新幹線代は?」→「約14,000円」
これらは、誰が考えても答えは同じです。 だから、悩む必要はありません。「調べればいい」だけです。 今の時代、スマホで検索すれば一瞬で答えが出ますよね。これをウンウン悩むのは時間の無駄です。
② 正解のない問題
こっちが、人生の大半を占める重要な問題です。
- 「どの会社に就職したら幸せになれる?」
- 「結婚はするべき? しないべき?」
- 「晩ごはんは何を食べるのがベスト?」
これらに、「全員に当てはまる正解」はありません。 Aさんにとっては「大企業への就職」が正解でも、Bさんにとっては「自由に働けるフリーランス」が正解かもしれません。 正解がないからこそ、検索しても答えは出てきません。 ここで必要なのが、調べることではなく、「自分の頭で考えること」なのです。

2. あなたは「反応」していませんか?
この本の核心部分はここにあります。 現代人の多くは、「意見」を言っているつもりで、実はただの「反応」をしているだけだというのです。
「意見」と「反応」の決定的な違い
- 意見(いけん): 自分の「ポジション(立ち位置)」がはっきりしていること。 「私は賛成です」「私は反対です」と、旗を立てている状態です。
- 反応(はんのう): ポジションをとらず、ただ感想を言っているだけのこと。 「すごいね!」「ひどいね!」「例外もあるよね」といった言葉です。
「賢(かしこ)いふり」をする人たち
特に気をつけたいのが、一見頭が良さそうに見える「反応」です。 例えば、「すべての会社員は副業をするべきだ!」という意見に対して、こんなコメントをする人がいます。
- 「一概(いちがい)には言えないよね」
- 「業界によっては難しい場合もあるよね(例外の指摘)」
- 「副業もいいけど、本業も大事だよね」
これらは、もっともらしいことを言っていますが、実は自分の意見を何ひとつ言っていません。 「で、あなたは副業に賛成なの? 反対なの?」と聞かれると、答えられないのです。 これを「クソリプ(役に立たない返信)」ならぬ、ただの「反応」と呼びます。
今の時代は、SNSの「いいね」ボタンやスタンプだけで簡単に「反応」ができてしまいます。 でも、「反応」ばかりしている人生は、他人の人生の脇役(わきやく)でしかありません。 自分の人生の主人公になるためには、リスクをとって「私はこう思う!」とポジションをとる必要があるのです。

3. なぜ「意見」を持つと幸せになれるの?
「意見を言うなんて怖い」「間違ったら恥ずかしい」と思うかもしれません。 でも、ちきりんさんは言います。 「意見を持つことでしか、本当の承認欲求(しょうにんよっきゅう)は満たされない」と。
承認欲求のからくり
私たちはみんな、「認められたい」「すごいと思われたい」という気持ち(承認欲求)を持っています。 でも、ただニコニコして周りに合わせているだけでは、「都合のいい人」とは思われても、「あなた自身」を認めてもらうことはできません。
「私はこれが好き!」「私はこう生きる!」と自分の色(意見)を出したとき、初めて「その考え方、いいね!」と共感してくれる人が現れます。 あなたの「中身」を見せないと、誰もあなたを好きになりようがないのです。
「意見を言う」→「共感してくれる仲間が集まる」→「心が満たされる」 この順番が大切です。 誰かに嫌われることを恐れず、自分の旗を立てた人だけが、本当の仲間と出会えるのです。
4. 誰でもできる!意見を持つための4ステップ
では、どうすれば「反応」をやめて「意見」を持てるようになるのでしょうか? 本の中で紹介されている、具体的な練習方法を紹介します。
ステップ1:レベルをチェックする
まずは現状把握(げんじょうはあく)です。 最近気になったニュースや出来事について、自分の考えを書き出してみましょう。 そして、それが「反応(感想)」なのか、「意見(ポジション)」なのかをチェックします。
- ×「最近の野菜は高いよね~」(これは感想=反応)
- 〇「野菜が高騰しているから、政府は農家にもっと補助金を出すべきだ(賛成のポジション)」(これは意見)
ステップ2:無理にでも「言い切る」
これが一番のトレーニングです。 「どっちとも言えないな…」と思うことでも、無理やりどちらかのポジションを選んでください。 「あえて言うなら賛成」「どちらかといえば反対」でOKです。
正解のない問題に、正解はありません。 だから、間違っていてもいいんです。 「今はこっちの立場をとる!」と決める練習を繰り返すことで、決断力がついてきます。
ステップ3:自分で自分に「ツッコミ」を入れる
ポジションを決めたら、あえて意地悪な質問を自分に投げかけます。 「副業に賛成!」と決めたなら、 「でも、副業で疲れて本業がおろそかになったらどうするの?」とツッコミを入れます。 これに対する答えを用意することで、あなたの意見はどんどん強くて深いものになります。
ステップ4:言語化(げんごか)する
最後に、考えたことを言葉にします。 ブログやSNSで発信してもいいですし、ノートに書くだけでも構いません。 大切なのは、「なんとなく」頭にあるモヤモヤを、はっきりした「言葉」の形にすることです。

5. この本のメリット・デメリット
『自分の意見で生きていこう』を読むと、どんな変化があるのでしょうか。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 効 果 | ● 悩む時間が減る:「正解探し」をやめるので、人生の決断が早くなります。 ● 自分に自信がつく:他人の評価ではなく、自分の基準で生きられるようになります。 ● 本当の仲間ができる:あなたの意見に共感する、価値観の合う人が集まってきます。 | ● 最初は怖い:自分の意見を言うことは、批判されるリスクもあるので勇気が必要です。 ● 脳が疲れる:「考える」ことはエネルギーを使います。慣れるまでは大変かもしれません。 |
まとめ:あなたの人生に「答え合わせ」はいらない
学校のテストには、必ず先生が持っている「正解」がありました。 でも、あなたの人生というテストの採点者は、あなた自身しかいません。
「この会社に入ってよかったのかな?」 「あの時、あっちを選んでおけばよかったのかな?」
そうやって過去を振り返って、誰かに「正解だよ」と言ってもらうのを待つのは、もう終わりにしましょう。 自分で選んだ道を、「これが私の正解だ!」と胸を張って言えること。 それこそが、「自分の意見で生きる」ということです。
もし、あなたが今、「生きづらいな」「なんかモヤモヤするな」と感じているなら、それはあなたが優しい性格で、周りの正解に合わせすぎているからかもしれません。 今日から少しずつ、小さなことからでいいので、「私はこう思う」とつぶやいてみてください。 その小さなつぶやきが、あなたのオリジナルの人生を作る第一歩になります。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、あなたが「自分だけの正解」を見つけるきっかけになれば、とても嬉しいです!
- Q難しい言葉ばかりで、読むのが大変ではありませんか?
- A
いいえ、とても読みやすいです。 著者のちきりんさんは難しいことを分かりやすく書くプロです。「ブログ形式」のような語り口で、具体的な会話例も多いため、普段ビジネス書を読まない方や中高生でも問題なく読めます。
- QSNSをやっていなくても役に立ちますか?
- A
はい、大いに役立ちます。 本書の本質はSNSの使い方ではなく、「会議で発言できない」「進路に迷っている」といった、リアルな人生の「正解のない問題」にどう向き合うかという思考法だからです。
- QKindle UnlimitedやAudible(聴く読書)の対象ですか?
- A
はい、Audible版などが利用可能です。 プロのナレーターによる朗読版(Audible)も配信されています。通勤中や家事をしながら「聴く」ことで、著者の思考プロセスを自然とインストールできるのでおすすめです。


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