【要約】小学生でも分かる『論語と算盤』新一万円札の成功法則

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人間関係・心理学

 新しい一万円札の顔になった人が、どんな人物か知っていますか。渋沢栄一——「日本資本主義の父」と呼ばれるこの人物が書いた『論語と算盤』は、出版から100年以上たった今も読み継がれる、いわば「成功のバイブル」です。お金持ちになりたい人にも、立派な大人になりたい人にも通じる、渋沢さんの考え方をやさしく紐解いてみます。

「心を磨くこと」と「お金を稼ぐこと」は、両立できないものだったのか

 タイトルにある「論語」と「算盤」、実はこの2つ、かつては水と油のように相容れないものと考えられていました。論語は孔子の教え、「人に優しくしよう」「嘘をつかない」といった道徳の教科書です。一方の算盤は計算の道具で、利益や商売の象徴でした。江戸時代、武士は論語を学んで立派な心を持つ一方、算盤を使う商人は世間から低く見られていたのです。

 渋沢さんはここに大きな発見をします。「道徳がなければ、悪いことをしてお金を稼ぐ人が出てくる。かといってお金がなければ、国も人も豊かになれない」。だからこそ、論語と算盤は、必ずセットでなければならないと考えたのです。彼はこれを、おいしいカレーライスに例えています。論語(心)はお米、算盤(お金)はカレールー。どちらか片方だけでは、あの美味しさは生まれません。正しい心でお金を稼ぐことこそ、いちばんかっこいい生き方だ、というわけです。

 お金の話と、正しさの話を、別々のものだと考えてしまう空気は、今の時代にもまだ残っている気がします。だからこそ、100年以上前にこの2つを「両方大事」と言い切った渋沢さんの考え方は、今読んでもなお新鮮に感じられます。

渋沢栄一が大切にした、成功のための合言葉

 渋沢さんが最も大切にしていた言葉が、「士魂商才(しこんしょうさい)」です。「士魂」は武士のような正義感のある、立派な魂のこと。「商才」は商人のように、お金を計算し工夫する才能のことです。この2つを両方持つことが、成功のカギだと渋沢さんは考えました。

 これは、RPGゲームの勇者にたとえるとわかりやすいかもしれません。どんなに「伝説の剣」という、すごい才能を持っていても、心が悪ければ、その勇者は魔王になってしまいます。逆に、優しい心だけがあっても、武器や防具(=力)がなければ、モンスターに負けてしまい、誰も守れません。優しくて強い心と、賢く戦う力——その両方を持つことこそ、渋沢さんが目指した「スーパーヒーロー」の姿だったのです。

カニは、自分の甲羅の大きさを知っている

「将来、何になったらいいか分からない」——そんな悩みに、渋沢さんは「蟹穴主義(かにあなしゅぎ)」という考え方で答えています。

 カニは、自分の甲羅の大きさに合わせて、ちょうどよい大きさの穴を掘ります。これと同じように、「自分の身の丈(実力や性格)をよく知って、自分に合った努力をしなさい」というのが、このアドバイスの意味です。これは「夢を見るな」ということでは決してありません。「自分は何が得意か、何が好きか」をよく観察し、その得意な場所で一番を目指そう、という前向きなメッセージです。

 自分の”大きさ”がどれくらいか、実はなかなか自分では分からないものです。だからこそ、まず自分をよく観察してみる、という渋沢さんのアドバイスは、意外と実践しやすい第一歩なのかもしれません。

本当の「常識人」に必要な、3つのバランス

 渋沢さんが語る「常識」とは、「信号を守る」といった単純なものではありません。智(ち)・情(じょう)・意(い)、この3つのバランスが取れていることこそ、本当の常識人だといいます。「智」は勉強して知識をつけること、「情」は人への優しさ、「意」は「やり遂げるぞ」という強い気持ちです。

 この3つは、どれか1つが欠けてもうまくいきません。頭が良くてやる気があっても、優しさがなければ「嫌なヤツ」になってしまいます。優しくてやる気があっても、知恵がなければ「騙されやすい人」になってしまいます。頭が良くて優しくても、やる気がなければ、「何も成し遂げられない人」で終わってしまいます。勉強することも、友達と仲良くすることも、目標を決めて頑張ることも、全部同じくらい大切なのです。

『論語と算盤』のメリット・デメリット

内容
メリット悪いことをしないので信用され、長く成功が続く。周りの人を幸せにできる。人生の「コンパス」ができ、迷いがなくなる
デメリットズルをしない分、大金持ちになるまでに時間がかかりやすい。お金だけでなく心を磨く努力も必要。派手な生活より堅実な生活が求められ、地味に見えることもある

まとめ:今日からできる「論語と算盤」

この教えは、決して難しいものではなく、今日から実践できることがたくさんあります。

  • 「ありがとう」と言われる行動をする(論語):家のお手伝いや、友達への優しさが、やがて「信用」になる
  • お金や道具を大切にする(算盤):お小遣い帳をつける、無駄遣いをしない——それが「経済」の第一歩
  • 良い習慣を身につける:早起きする、約束を守る。そんな毎日の小さな積み重ねが、将来のあなたをつくる

 お金は「魔法の杖」のようなものです。でも、それを使う人の心が悪ければ、悪い魔法になってしまいます。渋沢栄一さんのように、「正しい心」と「賢い頭」の両方を持って、たくさんの人を幸せにできる大人を目指したいものです。次に新しい一万円札を見たときは、この話を少し思い出してみてください。 


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