「もっとお小遣(こづか)いがほしい!」 「新しいゲームがほしい!」 「クラスのみんなより人気者(にんきもの)になりたい!」
そんなふうに、毎日なにかを「ほしい、ほしい」と願(ねが)っていませんか? 私たちは、「ほしいものが手に入れば、幸せになれる」と信じています。
でも、ちょっと待ってください。 ほしいおもちゃを買ってもらったとき、最初の3日は嬉しいけれど、1ヶ月経(た)ったらどうでしょう? もう飽(あ)きてしまって、また別(べつ)のものがほしくなっていませんか?
哲学者ショーペンハウアーは、「求めれば求めるほど、苦しくなる」と考えました。
今日ご紹介するのは、「求めすぎない」ことで心をラクにする、ちょっと不思議な本です。 19世紀の哲学者ショーペンハウアーの教えを、韓国の哲学研究者カン・ヨンスさんが30の考え方にまとめた『求めない練習』の内容を、できるだけやさしく解説します。
心のモヤモヤを軽くするヒントが見つかるかもしれません。気楽に読んでみてくださいね。
この本ってどんな本?
| 本の名前 | 求めない練習 絶望の哲学者ショーペンハウアーの幸福論 |
|---|---|
| 書いた人 | カン・ヨンス(韓国・高麗大学哲学研究所研究員)/訳:吉川南 |
| 出版社 | ダイヤモンド社(2025年) |
| どんな話? | 19世紀の哲学者ショーペンハウアーの教えから、欲望に振り回されずに、自分だけの幸せを見つけるための「30の考え方」を紹介する本 |
| こんな人に | 人と比べて疲れてしまう人/「もっと、もっと」と求め続けて、心が休まらない人 |
韓国で50万部を超えるベストセラーとなり、「ショーペンハウアーブーム」のきっかけになった本です。本は「人生」「自信」「幸福」「人間関係」などのテーマごとに、30の考え方がまとめられています。
1. 人生は「苦しみ」と「退屈(たいくつ)」の繰り返し?
まず最初に、少しだけショッキングな事実をお話しします。 ショーペンハウアーおじさんは、こう言いました。 「人生は、苦しみと退屈(たいくつ)の間を行ったり来たりする振り子(ふりこ)のようなものだ」
どういうことでしょうか?
「もっともっと!」のワナ
私たちは何かを欲(ほ)しがります(欲望)。 手に入らない間は「ほしいよ〜!」と苦しみます。 そして、やっと手に入れた瞬間(しゅんかん)は満足(まんぞく)しますが、それは一瞬(いっしゅん)だけ。 すぐに「慣(な)れ」がやってきて、「退屈」してしまいます。 するとまた、「次はあれがほしい!」と新しい苦しみが始まるのです。
まるで、ハムスターが回し車の中を走っているみたいに、いつまで経ってもゴールには着きません。
幸せは「プラス」じゃなくて「マイナス」で考える
じゃあ、どうすればいいの? と思いますよね。 答えは簡単(かんたん)です。 「幸せ=楽しいことを増やす」と考えるのをやめることです。
ショーペンハウアーは、幸せを「楽しいことを増やすこと」ではなく、「苦痛を減らすこと」だと考えました。おいしい料理を食べることよりも、お腹(なか)が痛くないことの方が大事ですよね? 最高のおもちゃがあることよりも、嫌(いや)な宿題がないことの方がホッとしますよね?
2. 自分の中に「最強の宝物」を持とう
幸せを外側(お金や人気)に求めると、うまくいきません。 なぜなら、お金は泥棒(どろぼう)に盗(ぬす)まれるかもしれないし、人気はいつか消えてしまうからです。
でも、絶対に誰にも盗まれない宝物があります。 それは、「あなた自身(人柄・性格)」です。
幸せの90%は「健康(けんこう)」で決まる
どんなにお金持ちでも、病気で寝込んでいたら遊べませんよね。 この本では、「幸福の90%は健康にかかっている」と断言(だんげん)しています。
健康な体と、明るい心があれば、道端(みちばた)の花を見るだけで楽しめます。 でも、心がイライラしていたら、どんなに豪華(ごうか)な食事も砂(すな)を噛(か)むような味しかしません。本でも、「明朗であってこそ、よりよく生きることができる」と書かれています。
「陽気(ようき)さ」という財産
生まれつきお金持ちかどうかは選べませんが、「ニコニコしているかどうか」は自分で決められます。 いつも機嫌(きげん)よく、明るく振る舞うこと。 これは、あなたを助けてくれる大きな財産になります。 外側の宝物を探すのではなく、内側の「ご機嫌」を磨(みが)きましょう。
3. 人間関係の極意「ヤマアラシのジレンマ」
学校や社会で一番の悩みといえば、「人間関係」ですよね。 「一人だと寂(さび)しいけど、誰かとずっと一緒にいると疲(つか)れる……」 そんなふうに思ったことはありませんか?
ショーペンハウアーは、これを「ヤマアラシ」に例えました。
近すぎるとチクチク痛い!
寒い冬の日、2匹のヤマアラシが暖(だん)を取ろうとしてくっつきました。 でも、近づきすぎるとお互いのトゲが刺(さ)さって痛い! 離(はな)れると寒い! 2匹は近づいたり離れたりを繰り返して、やっと「お互いに温かいけれど、痛くない距離(きょり)」を見つけました。
人間関係も同じです。 ベッタリくっつきすぎると、相手の嫌なところが見えたり、気を使ったりして「心のトゲ」が刺さります。 「少し礼儀(れいぎ)正しく、距離(きょり)をとる」のが、仲良く長続きするコツです。
「孤独(こどく)」は寂しいことじゃない
多くの人は「一人ぼっちは恥(は)ずかしい」と思っています。 でも、この本では「孤独こそが自由だ」と言っています。
誰にも気を使わず、自分の好きなことだけを考えられる時間。 本でも、「人生を楽しむ秘訣は孤独を友にすること」と書かれています。 「一人で本を読んだり、考え事ができる人」は、周りに流されにくくなります。
4. 「今」この瞬間だけを生きよう
私たちはよく、 「昨日のテスト、間違えちゃったな……(過去)」とクヨクヨしたり、 「明日の発表会、失敗したらどうしよう……(未来)」とハラハラしたりします。
でも、考えてみてください。 過去はもう変えられないし、未来はどうなるか誰にも分かりません。 私たちが触(さわ)れるのは、「今日」「今」だけです。
今日は二度と来ないお客さん
今日という一日は、たった一度しか来てくれない、大切なお客さんのようなものです。 それなのに、昨日の後悔(こうかい)や明日の心配でお客さんを無視(むし)していたら、失礼ですよね?
「今日一日を、ご機嫌に過ごすこと」。 それだけに集中しましょう。 朝起きたら「よし、今日も命があるぞ!」と喜ぶ。 本でも、「二度とこない今日を生きる」ことの大切さが書かれています。
5. この考え方のメリット・デメリット
「求めない生き方」には、良いところもあれば、注意点もあります。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 心 | 「もっとほしい!」というイライラが減り、心が穏やかになりやすくなります。 | 「向上心(もっと頑張ろう!)」がないと勘違いされるかもしれません。 |
| 人間関係 | 人に期待しすぎなくなるので、トラブルが減りやすくなります。 | 距離をとるので、「冷たい人」と思われることがあるかもしれません。 |
| 人生 | お金や流行に流されず、自分らしく生きられます。 | 派手(はで)な成功やスリルは減るかもしれません。 |
6. 実際に読んでみた私の体験談
読んだきっかけ:「求めない」と何の得があるのか知りたかった
ふつう、人は何かを求めながら生活しています。その中で、「求めない練習」をして何の得があるのか? 何が待っているのか? それを知りたくて、この本に興味を持ちました。
いちばん納得したこと:手に入れると、次がほしくなる
いちばん納得したのは、人は手に入れる前までは「ほしい」と思っているのに、いざ手に入れてしまうと、それまでの気持ちが冷めてしまい、また次にほしいものを探してしまう、という話です。
読んだあとにやったこと:健康第一で、食べるものに気をつけた
本の「幸福の90パーセントは健康に左右される」という話を読んで、健康が第一だと考え、食べるものに気をつけるようになりました。
きちんと野菜を食べて、いろいろなものを食べるようにしています。すると、お腹の調子や体調が、以前より少し良くなった気がします。さらにその効果からか、頭の中もスッキリしてきた気がします。
やってみて変わったこと:朝の体調がスッキリ
朝起きたとき、体の調子が前よりスッキリしている気がします。小さなことですが、良いことが起きています。
この本をおすすめしたい人
頑張りすぎている人や、少し疲れていると感じている人に読んでほしい一冊です。この本を読んで、少し気持ちをリラックスさせてみてはどうでしょうか。
今までと違う目線で自分を見られて、ちょっと違った考え方ができるようになるかもしれませんよ。
7. まとめ:幸せは「求めすぎない」ことから始まる
『求めない練習』のポイントをおさらいしましょう。
- 欲望と上手に付き合う: 欲望はなくせないけれど、振り回されないようにはできる。
- 引き算で考える: 楽しいことを増やすより、嫌なことを減らすのが幸せへの近道。
- 健康第一: 幸せの90%は健康に左右される。
- 自分を磨く: お金や名誉(めいよ)は消えるけど、あなたの性格や知識は一生モノ。
- 適度な距離: 人間関係はヤマアラシ。近づきすぎず、一人の時間を愛そう。
「幸せになりたい!」と必死になって走り回るのを、一度やめてみませんか? 立ち止まって、深呼吸をして、 「あ、なんだ。今ここにいるだけで、十分幸せじゃないか」 と気づくこと。
それが、ショーペンハウアーおじさんが教えてくれた、「絶望(ぜつぼう)の底にある希望(きぼう)」なのです。本で言う「求めない」は、何もかもあきらめることではなく、欲望に振り回されないように上手に付き合っていく練習です。 外の世界に求めすぎるのをやめたとき、あなたの心の中に、小さな幸せの花が咲き始めるかもしれません。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、みなさんの肩の荷を下ろし、今日を笑顔で過ごすヒントになればとっても嬉しいです。 今のままで十分素敵なあなたを、大切にしてあげてくださいね!
- Q19世紀の哲学者の本ですが、難しくて眠くなりませんか?
- A
ショーペンハウアーの哲学を、30の考え方に分けて1つずつ解説している本です。哲学の予備知識がなくても読み進めやすい構成ですが、内容はしっかりしているので、気になるテーマの章から少しずつ読むのもおすすめです。
- Q「あきらめる」というとネガティブに聞こえますが、暗い本ですか?
- A
暗い本というより、「無理に前向きになる必要もなければ、人生に悲観する必要もない」という考え方の本です。欲望との付き合い方を学ぶことで、心を軽くするヒントが紹介されています。
- Q耳で聴くこと(オーディオブック)はできますか?
- A
はい、Audible版が配信されています(2026年10月時点)。通勤や家事の時間に、少しずつ聴いてみるのもおすすめです。


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