藤原和博さんのベストセラー『10年後、君に仕事はあるのか?』。これからのAI時代を生き抜くための「攻略本」として、みなさんにも分かるようにやさしく解説します。
「大人になったら、ユーチューバーになりたい!」 「サッカー選手になりたい!」 みなさんには、そんな素敵な夢がありますか?
でも、テレビやニュースでは、こんな怖い話を聞くかもしれません。 「10年後、人間の仕事の半分はAI(人工知能)やロボットに奪われてしまう」
「えっ、じゃあ僕たちの仕事はなくなっちゃうの?」と不安になりますよね。 電車の切符を切る駅員さんが自動改札機に変わったように、レジ打ちや運転手さんの仕事も、ロボットがやるようになるかもしれません。
でも、安心してください。 この本は、「AIの時代にも必要とされる人になる方法」を教えてくれる「未来の地図」です。
著者の藤原和博(ふじわら かずひろ)さんは、リクルートという会社でバリバリ働き、その後、中学校の校長先生にもなった「教育とビジネスのプロ」です。 彼が教える秘密の合言葉は、「レゴ」と「レアカード」。
さあ、未来の世界で「君だけの仕事」を見つける冒険に出かけましょう!
この本ってどんな本?
| 本の名前 | 10年後、君に仕事はあるのか? 未来を生きるための「雇われる力」 |
|---|---|
| 書いた人 | 藤原和博(ふじはら かずひろ)/教育改革実践家 |
| 出版社 | ダイヤモンド社(2017年) |
| どんな話? | AIやグローバル化で仕事が大きく変わる時代に、どんな力を身につけておけばいいのかを、高校生に語りかけるように説明する本 |
| こんな人に | 将来の仕事が不安な学生さん/子どもの将来について考えたい親御さん/これからのキャリアを考え直したい大人 |
著者の藤原和博さんは、リクルートで働いたあと、東京都で義務教育初の民間人校長として中学校の校長先生になった人です。本では、「約50%の仕事が今後10〜20年でなくなる」と言われる時代に必要な力として、「情報編集力」や「100万人に1人のレアカードになる方法」が紹介されています。
1. これからの10年で、何が変わるの?
道路の工事から、ネットの工事へ
お父さんやお母さんが子供だった頃、未来といえば「速い新幹線」や「高いビル」を作ることでした。これを「鉄とコンクリートの未来」と呼びます。 でも、これからの未来は違います。
世界中の50億人がスマホを持ち、みんなの頭脳(脳みそ)がインターネットでつながる世界になります。本でも、「世界の半分がネットの中に建設されるようになる」と書かれています。 新しい建物は、街の中ではなく、スマホやネットの中に作られます。 そして、そこにAI(人工知能)やロボットが参加してくるのです。
なくなる仕事、残る仕事
AIは「決まったことを、速く正確にやること」が得意です。 だから、こんな仕事はロボットにお任せすることになるでしょう。
- 電車の運転手さん: 自動運転になれば、レールの上を走る電車はロボットが得意です。
- レジ打ち: 商品を置くだけで計算してくれる機械が増えています。
- 事務の計算: 難しい計算も、コンピューターなら一瞬です。
逆に、「人間にしかできない仕事」は残ります。 それは、どんな仕事でしょうか? これから紹介する「2つの力」の違いを知れば、答えが見えてきます。
2. 「ジグソーパズル」と「レゴ」の違い
藤原先生は、人間の頭の使い方は2種類あると言います。 それが「情報処理力(じょうほうしょりりょく)」と「情報編集力(じょうほうへんしゅうりょく)」です。 ちょっと難しい言葉ですが、おもちゃに例えるとすぐに分かります。
AIが得意な「ジグソーパズル型」
学校のテスト勉強を思い出してください。 「1+1は?」「2!」 「徳川家康が幕府を開いたのは?」「1603年!」
このように、「正解が一つだけ決まっている問題」を解く力のことを、「ジグソーパズル型」の力(情報処理力)と言います。 ジグソーパズルは、ピースの形が決まっていて、完成図(正解)も決まっていますよね。誰がやっても同じ絵になります。
この力はとても大切ですが、正解が決まっている問題なら、AIは人間よりずっと速くパズルを完成させてしまいます。 だから、「計算が速い」だけでは、これからの時代はロボットに勝てないのです。
人間が得意な「レゴ型」
一方で、「情報編集力」とは、「レゴブロック」で遊ぶような力のことです。
レゴには「正解」がありません。 「宇宙船を作ろう!」と思っても、どんな形の宇宙船にするかは、あなたの自由です。 途中で「やっぱり怪獣にしよう」と変えてもいいし、友達のブロックと合体させてもいいですよね。
- 正解がない問題を考えること
- みんなが「なるほど!」と思う納得解(なっとくかい)を作ること
- アイデアとアイデアを組み合わせること
これは、人間ならではの力です。 本では、正解を当てる力(情報処理力)だけでなく、自分なりの「納得解」をつくり出す力(情報編集力)が、これからの時代に大切になると書かれています。 これからの時代は、学校の勉強(パズル)だけでなく、遊び心(レゴ)を持った人が活躍するのです。

3. 目指せ「100万人に1人」のレアカード!
「でも、僕には特別な才能なんてないよ…」 そう思うかもしれません。 しかし、藤原先生は「掛け算」を使えば、誰でもオリンピック選手級の「100万人に1人」の人材になれると言います。 本では、これを「レアカード」になると表現しています。ポケモンや遊戯王のカードでいう、めったに出ないレアカードのような存在ですね。
「3つのタグ」を持とう
一つのことだけで1位になるのは大変です。 例えば、「プロ野球選手」になって100万人に1人のスターになるには、ものすごい競争に勝たなければなりません。
でも、「100人に1人」くらいなら、頑張ればなれそうじゃありませんか? クラスで一番、学年で一番くらいなら、好きなことなら目指せるかもしれません。
【レアカードになる計算式】
- 【1歩目】 ある仕事をマスターする(100人に1人)
- 【2歩目】 別の仕事をマスターする(100人に1人)
- 【3歩目】 全く違うエリアで勝負する(100人に1人)
これを掛け算すると… 100 × 100 × 100 = 1,000,000(100万)
これで、あなたは100万人に1人の「超レアカード」になれるのです。
「三角形」を大きくしよう
これを図形で考えると、「三角形」になります。 1歩目と2歩目で足場を固めて、3歩目でポーンと高くジャンプするイメージです。 三角形の面積が大きければ大きいほど、あなたの価値(クレジット)は高くなります。
例えば…
- タグ1: プログラミングができる(1/100)
- タグ2: 英語が得意(1/100)
- タグ3: 農業に詳しい(1/100)
「英語が話せて、プログラムも書ける農家さん」なんて、滅多にいませんよね? そうなれば、「君にお願いしたい!」と声がかかりやすくなるはずです。

4. 人間にとって一番大切な「信用」
AI時代になっても、絶対に変わらないものがあります。 それは「信用(しんよう)」です。
お金持ちになることよりも、「あの人は信頼できる」と思われることの方が、ずっと大切です。 では、どうすれば信用される人になれるのでしょうか? 難しいことはありません。基本は3つだけです。
信用を貯める3つのルール
- あいさつができること 「おはようございます!」「ありがとう!」と元気に言えること。
- 約束を守ること 「宿題をやる」「時間を守る」。小さな約束を守れる人が、大きな仕事も任されます。
- 人の話を聞けること 自分のことばかり話さず、相手の目を見て話を聞くこと。
これは、学校の先生やおとうさん、おかあさんがいつも言っていることと同じですよね。 本でも、この3つが、人柄を高めて「クレジット(信用)」を貯めるための基本だと書かれています。「当たり前のこと」をしっかりできる人が、周りから信頼されるのです。
5. 小学生と親御さんへのアドバイス
最後に、これから10年後を迎えるみなさんと、子育て中の親御さんへ、藤原先生からの「子育て三原則」を紹介します。
親御さんへ:子供を伸ばす3つの方法
- 10歳くらいまでは、思いっきり遊ばせる! 「レゴ型」の力(情報編集力)は、遊びの中で育ちます。鬼ごっこでルールを変えたり、基地を作ったりする経験が、将来のアイデアの種になります。
- 海外に行かせる(アウェーを体験させる)! 言葉が通じない場所で苦労することで、たくましさが身につきます。
- 「楽な道」より「面倒な道」を選ばせる! みんなと同じ方向に行くのではなく、あえて厳しい道や、人がやらないことに挑戦させましょう。それが「レアカード」への一歩になります。
小学生のみなさんへ
学校の勉強(パズル)も大切ですが、それだけが全てではありません。 「自分だけの遊び」や「誰もやっていないこと」に夢中になってください。 片手で食べられるかき氷を考えたり、変わった形の積み木を作ったり。 そんな「ちょっと変なこと」が、未来のあなたを助けてくれるかもしれません。(「片手で食べられるかき氷」は、本の中でも情報編集力を鍛えるお題として出てきます)
6. この本のメリット・デメリット
『10年後、君に仕事はあるのか?』の考え方を取り入れると、どんないいことがあるのでしょうか。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 内 容 | ●将来への不安が軽くなる :AI時代に必要な力が分かる。 ● 自分に自信がつく:特別な才能がなくても「掛け算」で勝てると分かる。 ● 勉強の意味が変わる:「パズル」と「レゴ」の両方が大事だと理解できる。 | ● すぐには結果が出ない:「100人に1人」になるには、それぞれ1万時間くらいの努力が必要。 ● 勇気が必要:みんなと違う道(レアな道)を選ぶのは、最初は少し怖いかも。 |
7. 実際に読んでみた私の体験談
読んだきっかけ:タイトルを見て、身震いした
『10年後、君に仕事はあるのか?』。怖い、怖いと思いながらタイトルを見ました。私は就職してしばらくたちますが、今の仕事がこの先も続くという保証はありません。あらためてこの言葉を聞くと、身震いする思いです。
それならば、この本でその不安を解決できるのか? そんな疑問とともに、興味を持ちました。
いちばん納得したこと:人間にしかできないことが、仕事として残る
これからの世界は、50億人がスマホを持ってネットにつながり、インターネットの世界が主流になっていきます。そこにAIが参加してくる未来になるので、人間にしかできないことが仕事として残る、という話に納得しました。
読んだあとにやったこと:信用を貯める行動をとる
読んだあと、信用を貯めるための行動をとるようにしました。あいさつをする、約束を守る、自分勝手な行動をとらない、など、基本的なことをちゃんとするようにしています。
やってみて変わったこと:まわりの対応が変わった
自分の感性が磨かれているように感じます。あいさつをすれば、あいさつを返してくれる。約束を守れば、相手も約束を守ろうとしてくれる。まわりの、自分に対する対応が変わった気がします。
この本をおすすめしたい人
10代から30代くらいの人は、まだ比較的やわらかい考え方ができると思うので、未来を見すえて準備をしてもらえればと思います。そのきっかけや参考になると思うので、ぜひこの本を読んでもらいたいです。
未来は、一歩一歩足を進めた先にあります。今から、未来を良くするための準備を始めましょう。
子どもにAI時代の力を育てる方法は、『わが子に教えるAI時代に必要な7つの能力』の要約記事で紹介しています。
【耳で聴きたい人へ】『10年後、君に仕事はあるのか?』は、オーディオブックの「audiobook.jp」でも配信されています(再生時間 約5時間15分)。通勤・通学の時間に、耳で聴いてみるのもおすすめです。
8. まとめ:君の未来は、君が作る「レゴ」だ!
10年後、仕事がなくなるかどうか。 それは、あなたが「AIと戦う人」になるか、「AIを使う人」になるかによって、大きく変わるかもしれません。
- 言われたことだけをやる人は、ロボットに仕事を奪われやすくなります。
- 「レゴ」のように自由に発想し、3つの力を掛け合わせて「レアカード」になった人は、ロボットを相棒にして、もっと楽しい仕事を作り出せます。
未来は、決まった絵を完成させる「ジグソーパズル」ではありません。 あなたの好きな色、好きな形のブロックを積み上げて、世界に一つだけの素敵な未来を作ってください。 さあ、今日はどんな「遊び」をして、新しい力を磨きますか?
最後まで読んでもらいありがとうございました
- Qビジネス書を読み慣れていない人や、中高生でも読めますか?
- A
はい、読めると思います。高校生に語りかけるような文章で書かれていて、「ジグソーパズルとレゴ」「レアカード」といったイメージしやすいたとえを使って説明されているので、ふだんビジネス書を読まない人でも読み進めやすい本です。
- Q子育て中の親が読んでも参考になりますか?
- A
はい、参考になると思います。本の最後では、「10歳までは思い切り遊ばせる」「海外を経験させる」「面倒なほう、厳しい道、よりタフな状況を選ばせる」という3つが、子どもの育て方として紹介されています。
- QAIの技術的な話ばかりで、実践的ではないですか?
- A
いいえ、AIの技術の話が中心ではありません。1つの仕事に1万時間かけて「100人に1人」になり、それを3つ掛け合わせて「100万人に1人」の存在になる、といったキャリアの考え方が具体的に紹介されています。


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