「毎日勉強や習い事を一生懸命がんばっているのに、なんだかうまくいかないな……」 「やる気を出そうと思っても、すぐゲームやスマホを見ちゃう自分はダメなのかな……」
そんな風に悩んで、ため息をついている人はいませんか? 「もっと気合いを入れなきゃ!」「休まずに努力しなきゃ!」と、自分を追い詰めてしまう真面目な人はたくさんいます。でも、ちょっと待ってください。 実は、あなたがうまくいかないのは「気合いが足りない」からではなく、「がんばり方」を間違えているだけかもしれません!
心や脳の仕組みを研究する「心理学(しんりがく)」という学問の最先端では、「無理にがんばらない方が、むしろすごい結果(パフォーマンス)を出せる!」という、魔法のような事実がわかってきました。
この記事では、人間の脳の不思議な仕組みを利用して、どうすれば「苦しい努力をせずに、スイスイと目標をクリアできるのか」、その秘密の作戦を謎解きしていきます。 これを読めば、「やりたくないのに無理してがんばる」という辛い毎日から抜け出して、明日から楽しく、自分の力を100%発揮できるようになりますよ!
It’s not that you’re not trying hard enough.
(うまくいかないのは、努力が足りないからじゃない。)
1. どうして「がんばる」と疲れちゃうの?(意志の力の秘密)
まずは、私たちが「がんばろう!」と気合いを入れた時に、心と頭の中で何が起きているのかを見ていきましょう。
「意志の力」はゲームのMP(マジックポイント)と同じ!
何か嫌なことや難しいことを「よし、やるぞ!」と気合いを入れて取り組む力のことを、「意志(いし)の力」と呼びます。多くの人は、「やる気さえあれば、意志の力は無限に湧き出てくるはずだ」と思い込んでいます。
でも、それは大きな勘違いです! 心理学の先生たちによると、人間の「意志の力」は、テレビゲームの「MP(マジックポイント)」と全く同じなのだそうです。
ゲームの中で、キャラクターが魔法を使うとMPが減っていきますよね。強い魔法(難しいこと)を使えば一気にMPが減り、簡単な魔法でも何度も使えば少しずつMPは減っていきます。そして、MPがゼロになると、もう魔法は使えなくてヘトヘトになってしまいます。 人間も同じです。「朝起きる」「服を選ぶ」「やりたくない宿題をやる」など、何かを決めたり我慢したりするたびに、頭の中の「意志の力(MP)」という見えないエネルギーを消費しているのです。
気合いだけでがんばり続けるのは「不可能」!
「もっと努力すればなんとかなる!」と思って、自分のMPが空っぽなのに無理やりがんばろうとするのは、ガス欠になった車で無理やりアクセルを踏んでいるようなものです。車は進まないし、エンジンが壊れてしまいます。
これを身近なことに例えると、「鉄棒にずっとぶら下がり続けているのと同じ」です。 最初は「がんばれー!」と応援されて力が入っても、人間の筋肉には限界があるので、いつか必ず手が滑って落ちてしまいますよね。 だから、「がんばり続けること」を目標にしてはいけません。大切なのは、限りあるMP(意志の力)をいかに節約しながら、無理をせずに目標をクリアするか、という「がんばらない作戦」を立てることなのです。
2. がんばらなくてもスイスイ進む!魔法の心理テクニック
MP(意志の力)を無駄遣いしないためには、どうすればいいのでしょうか。 ここからは、科学の実験で証明された「がんばらなくても結果が出る魔法のテクニック」を紹介します。
魔法①:上手な人の「真似っこ(観察)」をする
スポーツでも勉強でも、「自分一人で汗をかいて、一生懸命がんばらなきゃ!」と思っていませんか? 実は、もっと楽に上達する方法があります。それは「上手な人をただ眺めるだけ」という魔法です。
ある大学で、バドミントンの初心者の学生を集めた実験が行われました。基礎の練習をした後、半分の人たちに「プロの選手の動きの動画を20分間ただ見てもらう」ということをしました。 するとどうでしょう! 動画を見た人たちは、ただ見ていただけなのに、見ていない人たちに比べて、ラケットの振り方や打ち方が劇的に上手になっていたのです。
これは「モデリング法」といって、上手な人の動きを観察するだけで、脳が勝手に「いいところ」を盗んで学習してくれるという素晴らしい仕組みです。 「どうしてうまくできないんだろう」と一人で悩んでがんばる前に、周りにいる「できる人(お友達や先輩)」のやり方をじっくり観察してみてください。ノートの取り方や、片付けの仕方など、少し眺めるだけで自分も自然とレベルアップできちゃいますよ!
魔法②:やることを「小さく分ける(チーズ作戦)」
「分厚い問題集を全部終わらせなきゃ…」と思うと、プレッシャーで押しつぶされそうになって、やる気がゼロになってしまいますよね。
こんな時は、やるべきことを「すごく小さく切り分ける」のがコツです。 ある実験で、小学生に258ページもある算数の問題集を渡しました。そのまま「全部やってね」と言われたグループは、途中で嫌になってしまい、半分くらいの子しか最後まで終わりませんでした。 しかし、「毎日6ページずつだけやってね」と小さく分けてお願いされたグループは、74%もの子たちが最後までやり切ることができたのです!
これを心理学では、穴あきの大きなチーズを小さく切り分けて食べることに例えて「スイスチーズ法」と呼びます。 「夏休みの宿題を全部やる」ではなく、「今日は漢字ドリルを1ページだけやる」というように、がんばらなくてもできるくらいまで小さく切り分けることで、挫折(ざせつ)せずにコツコツ続けることができるのです。
魔法③:「ながら作業」をやめて1つに集中する
「音楽を聴きながら」「テレビを見ながら」勉強や作業をした方が、リラックスできてはかどると思っていませんか? 実はこれも大間違い! 「ながら作業」は、あなたの集中力を奪い、無駄にMPを消費してしまう悪い癖です。
ある高校生たちを対象にした実験で、「音楽のビデオを見ながら課題をする人」「ドラマを見ながら課題をする人」「何も見ずに課題に集中する人」を比べたところ、「何も見ずに集中した人」がダントツで一番早く課題を終わらせることができたのです。
スポーツ選手が試合前に音楽を聴くのは「気分を盛り上げるため」であって、試合中(集中するべき時)には音楽は聴きませんよね。 もしあなたが「がんばっているのに全然終わらない」と悩んでいるなら、テレビやスマホを消して「ながら作業」をやめるだけで、あっという間に終わるようになりますよ!
3. 意志の力(MP)を節約する「自動化」と「ゲーム化」
先ほど「意志の力(MP)には限りがある」とお話ししました。では、毎日の生活の中でMPを減らさないためにはどうすればいいでしょうか。
毎日「決めること」を減らす(自動化)
私たちが朝起きてから「今日は何を着ようかな」「朝ごはんは何を食べようかな」と悩むたびに、貴重なMPはどんどん減っていきます。 だから、どうでもいいことは「あらかじめルールを決めておく(自動化する)」のが一番です。
世界で大成功している有名なIT企業の社長さんや、大昔の天才科学者たちは、「毎日全く同じ服(お気に入りの数着)を着る」というルールを持っていました。 なぜなら、「服を選ぶ」という小さなことに自分のMP(意思決定カード)を使いたくなかったからです。彼らは節約したMPを、自分にとって一番大切な仕事や研究のために全振りしていたのです。
あなたも、「毎日〇〇の時間は絶対にこれをやる」「迷ったらこれを選ぶ」というルールを作って、考える時間を減らしてみましょう。それだけで、本当にやりたいことに使えるパワーが残るようになりますよ。
つまらないことは「タイムアタック」でゲームにする
「毎日同じお手伝いをしなきゃいけない」「退屈な練習ばかりで嫌だ」という時は、その作業自体を「ゲーム化」してしまいましょう。
例えば、世界中で大人気のアクションゲームで「いかに早くゴールできるか(タイムアタック)」に挑戦している人たちがいます。彼らは、もう何度も同じステージを遊んでいて、敵の場所もすべて覚えているのに、全く飽きずにプレイしています。 なぜなら、「昨日の自分より1秒でも早くクリアする!」という『楽しむ要素(ゲーム性)』を自分で作り出しているからです。
これをお手伝いや勉強にも使ってみましょう。 「お風呂掃除を5分以内に終わらせられるか競争だ!」「計算ドリルを昨日の自分より早く解けるかタイムを測ろう!」 このように、自分で工夫してゲームにしてしまえば、無理にがんばらなくても夢中になって取り組むことができるようになります。
4. 三日坊主を防ぐ!「続く」仕組みの作り方
がんばらない作戦で一番大切なのは、「無意識(何も考えなくても体が勝手に動く状態)」を作ることです。 例えば、毎日の「歯磨き」は、子供の頃はめんどくさかったかもしれませんが、今は「がんばらなくても」自然にできていますよね。これと同じ状態を作るための仕組みを紹介します。
最初は自分に「ご褒美」をあげよう
歯磨きのように無意識にできるようになるまでは、どうしても「最初の動き出し(自転車の漕ぎ始め)」に少しだけMPが必要です。 そこで、最初の一歩を踏み出すために「ご褒美(ごほうび)」を用意しましょう。
「宿題をやるために机に向かったら、大好きなチョコレートを1つ食べていい」「塾に行く途中で、お気に入りのパン屋さんでメロンパンを買う」というように、ワクワクするご褒美を設定しておくのです。 このご褒美につられて動き出してしまえば、あとはスルスルと行動し続けることができます。
やったことを「記録」してレベルアップを見る
もう一つの強力な魔法は、「自分がやったことを毎日記録に残す」ことです。 人間は、自分が積み重ねてきた記録を見ると、「せっかくここまでがんばったんだから、ここでやめたらもったいない!」と思う不思議な心理があります。
最近のスマートウォッチ(腕につける時計型の機械)が、「今日は〇〇歩あるきました!」と毎日記録してくれるのも、この心理を利用して運動を続けさせるための工夫です。 ノートやカレンダーに「今日は腕立て伏せを10回やった」「本を1ページ読んだ」とシールを貼ったり記録したりするだけで、自分のレベルアップが目に見えて楽しくなり、やめるのがもったいなくなりますよ!
みんなに「やるぞ!」と宣言する
自分一人でこっそり目標を立てると、「まあ、今日は疲れたからいいや」と簡単にサボってしまいます。 そこで、家族やお友達、あるいはインターネット(SNS)で「私は今日、〇〇をやります!」と大勢の人に宣言(約束)してしまいましょう。
心理学には「一貫性(いっかんせい)の法則」というものがあります。これは「自分が決めて口に出したことは、最後までやり抜かないと恥ずかしい」と感じる心の働きです。 「今日はお手伝いをするぞ!」とみんなの前で宣言するだけで、「やらなきゃ!」という強制力が働き、自然と体が動くようになります。
5. がんばらない生き方のメリットとデメリット
ここまで紹介してきた「がんばらない・意志の力を使わない仕組み作り」を取り入れると、どんな良いことや注意点があるのかを整理してみましょう。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 毎日の生活 | 「やらなきゃいけないのにできない…」という自己嫌悪(じこけんお)がなくなり、いつも心が軽くてハッピーでいられます。 | 「ご褒美」を豪華にしすぎると、目的が「ご褒美をもらうこと」にすり替わってしまうので注意が必要です。 |
| 自分の成長 | 無理をしなくても物事がコツコツ続くようになるので、気がついた時にはものすごい実力(レベルアップ)が身についています。 | 「自動化」や「仕組み」を作る最初の数日だけは、少し頭を使って考える努力が必要です。 |
| 心の健康 | 自分のMP(体力)の限界を知って、余裕を持って行動できるようになるため、心や体が疲れ果てて(燃え尽きて)しまうことがありません。 | 「がんばらない」=「何もしなくていい(サボる)」という意味ではないので、行動自体は続ける必要があります。 |
6. まとめ:苦手なことは捨てて、得意なことで輝こう!
いかがでしたか? 「成功するためには、歯を食いしばって苦しい努力をしなければならない」というのは、もう古い考え方です。本当は、人間の脳の仕組みを上手に使って、「いかに楽に、楽しんで続けられるか」を工夫する人が一番うまくいくのです。
最後に、今日学んだ大切なルールをおさらいしましょう。
- 「意志の力」はゲームのMPと同じ。無理にがんばると空っぽになる。
- 上手な人のやり方を「観察(真似っこ)」する。
- 大きな目標は、すごく「小さく切り分けて」こなす。
- テレビやスマホを見ながらの「ながら作業」は絶対にやめる。
- 毎日着る服など、どうでもいいことは「自動化」して迷わない。
- つまらない作業は「タイムアタック」などで「ゲーム化」する。
- 始めるまでの「段取り」を極限まで減らす。
- 最初は「ご褒美」を用意して、行動を「記録」し、みんなに「宣言」する。
そして、もう一つとても大切な魔法があります。それは「やることを1つに絞り、苦手なことはやめて、得意なことだけをやる」ということです。
あれもこれも全部がんばろうとすると、あっという間にMPが尽きてしまいます。 また、歌が苦手な人が無理やり人前で歌わされると、ものすごく疲れてしまいますよね。でも、歌が得意な人は、頼まれなくても楽しんで何時間でも歌い続けることができます。 人間は、自分が得意なことは「がんばらなくても」自然とやりたくなってしまう生き物なのです。
だから、苦手なことを無理して克服(こくふく)しようとしてMPを無駄遣いするのではなく、あなたが「楽しい!」「得意だ!」と思えることに100%のパワーを注いでください。 その「得意なこと」に、今回紹介した魔法のルールを組み合わせれば、あなたは誰よりもキラキラと輝く、最強のヒーローになれるはずですよ!
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、毎日を一生懸命生きているあなたの肩の力を少しだけ抜いて、もっと自分らしく、楽しく夢に向かって進んでいくための「秘密の地図」になればとってもうれしいです。 あなたが「がんばらない魔法」を手に入れて、笑顔いっぱいの素敵な人生を歩んでいけることを、心から応援しています!
- Q心理学などの専門知識がなくても読めますか?
- A
はい、ゲームの「MP」など分かりやすい例えで解説されているため、専門知識がなくても楽しく読めます。
- Qついつい自分を甘やかしてしまう「怠け者」でも役に立ちますか?
- A
はい、意志の力(気合い)に頼らずに動く「仕組み」が学べるため、三日坊主で悩んでいる人にこそおすすめです。
- Qこの本を読むと、嫌いな勉強や仕事が好きになりますか?
- A
いいえ、嫌いなことが好きになるわけではありませんが、嫌なことでも「ラクに終わらせる仕組み」を作れるようになります。



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