「ねえ、聞いてる?」 一生懸命話しているのに、相手がスマホをいじっていたり、「ふーん」と気のない返事をされたりして、悲しい気持ちになったことはありませんか?
「どうして私の言葉は届かないんだろう…」 そう悩んでいるのは、あなただけではありません。実は、多くの大人が「伝えること」と「伝わること」の違いに気づかず、損をしているのです。
この記事で紹介する本には、「相手の心を動かす魔法」が書かれています。 著者は、数々のベストセラーを生み出してきた編集者・柿内尚文さん。 「バナナの魅力を伝えて」と言われたら、あなたならどう言いますか? ただ「黄色くて甘い」と言うだけでは、相手の心には響きません。
この記事を読めば、明日からあなたの言葉が変わり、周りの人の反応が劇的に変わります。 さあ、一緒に「伝わる世界」への扉を開けましょう!
この本ってどんな本?
| 本の名前 | バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則 |
|---|---|
| 書いた人 | 柿内尚文(かきうち たかふみ)/編集者 |
| 出版社 | かんき出版(2021年12月) |
| どんな話? | 「伝える」と「伝わる」のちがいから始めて、相手に届く話し方のコツをまとめた本 |
| こんな人に | 話しても伝わらないと感じている人/要点をまとめるのが苦手な人 |
※同じ内容を読みやすくしたマンガ版『マンガ バナナの魅力を100文字で伝えてください』(2024年5月)もあります。文章を読むのが苦手な人は、こちらから入るのもおすすめです。
1. 「伝える」と「伝わる」は全然ちがう!
まず、一番大切なことからお話しします。 この本の中で一番ドキッとする言葉、それは「伝わっていないことは、存在しないのと同じ」という言葉です。
ボール投げで考えてみよう
言葉のキャッチボール、という言葉がありますよね。 あなたが「伝えたいこと(ボール)」を相手に向かって投げたとします。 でも、相手がそのボールを受け取れなかったら、どうでしょう?
- あなたが豪速球(ごうそっきゅう)を投げて、相手が怖がってよけた。
- あなたが相手のいない方向にボールを投げた。
これは、あなたが「投げた(伝えた)」という事実はあっても、キャッチボール(伝わる)は成立していませんよね。 一方的に話して「言ったはずだ!」と怒るのは、相手にボールをぶつけて「なんで取らないんだ!」と怒っているのと同じなんです。

2. 伝わるための「7階建てビル」の秘密
では、どうすれば相手にボールを受け取ってもらえるのでしょうか? この本では、伝わる仕組みを「7階建てのビル」に例えています。 いきなり7階(信頼される)には行けません。1階から順番に上がっていく必要があります。
ここでは、特に大切な3つの階を紹介します。
1階:ゴール設定(なんのために?)
話す前に、「この話のゴールはどこか」を決めていますか?
- 相手に「いいえ」と言わせたい?
- 相手を笑わせたい?
- ただ話を聞いて共感(きょうかん)してほしい?
ゴールがない話は、ゴールのないマラソンと同じ。聞いている相手は「いつ終わるの?」「結局なに?」と疲れてしまいます。
2階:納得感(なるほど!)
「なるほど、そういうことか!」と相手が思うこと。これが納得感(なっとくかん)です。 難しい言葉ばかり並べても、相手は納得しません。 「小学生でもわかる言葉」で話すのが、一番の近道です。
3階:相手ベース(相手の気持ちになる)
これが最も重要です。 「自分がいいたいこと」ではなく、「相手が知りたいこと」を話すのです。
例えば、あなたが釣りをするとします。 あなたはケーキが大好きですが、魚を釣るときに釣り針に「ショートケーキ」をつけますか? つけませんよね。「ミミズ」や「エビ」をつけます。なぜなら、魚はケーキを食べないからです。
会話も同じです。相手が何を食べたいか(何を聞きたいか)を考えずに、自分の好きなケーキ(自分の自慢話や興味のある話)ばかり押し付けても、相手は食いついてくれません。
3. 明日から使える!言葉の魔法テクニック
「相手のことを考えるのはわかったけど、具体的にどうすればいいの?」 そんなあなたに、本の中からすぐに使えるテクニックを3つ紹介します。
魔法①:ネーミングの法則(名前を変える)
名前を変えるだけで、価値がガラッと変わることがあります。
- 売れ残った野菜 → 「訳(わけ)あり野菜」 これだと、「安いなら買おうかな」と思いますよね。
- さらに工夫すると… → 「罪(つみ)なきからあげ」 これは、大豆で作ったお肉(代替肉)のことです。「からあげを食べたいけど太りたくない」という人の心を掴む、天才的なネーミングです。
ただの「お茶」ではなく「お〜いお茶」と名付けたことで大ヒットした話も有名ですよね。 名前をつけるときは、「それを聞いた相手がどう思うか?」を想像してみましょう。
魔法②:言いかえの法則(マイナスをプラスに)
自分の短所(悪いところ)も、言いかえれば長所(良いところ)になります。 面接や自己紹介でとても役に立ちます。
| 元の言葉(マイナス) | 言いかえ(プラス) |
|---|---|
| 失敗・ミス | 課題発見・気づき |
| 飽きっぽい | 切り替えが早い・好奇心旺盛 |
| 心配性(しんぱいしょう) | 準備がいい・リスク管理ができる |
| 頑固(がんこ) | 意志が強い・こだわりがある |
言葉を変えるだけで、自信が湧いてきませんか? これを「脳内チューニング」と言います。自分の脳みそのチャンネルを、ポジティブな方に合わせるのです。
魔法③:正直な八百屋さんの法則
ある八百屋さんのお話です。 その店主は、お客さんにこう言いました。 「今日のきゅうりは美味しくないから、買わない方がいいよ。スーパーで買った方がいい」
びっくりしますよね? 商売あがったりです。 でも、その結果どうなったと思いますか? お客さんは「この店主は嘘をつかない。信頼できる!」と思い、そのお店の常連客になったのです。
メリット(良いこと)ばかり言う人は怪しまれます。 正直にデメリット(悪いこと)も伝える。これを「信頼感(しんらいかん)」と言います。 テクニックを超えた、最強の武器は「正直さ」なのです。

4. バナナの魅力を100文字で伝えてみよう
さて、タイトルの回収です。 「バナナの魅力を伝えてください」と言われたら、あなたはどう答えますか?
- × 伝わらない例: 「フィリピン産で、黄色くて、細長くて、甘い果物です。栄養があります。」
これはただの「事実(ファクト)」です。辞書に書いてあることと同じですね。これでは「食べたい!」とはなりません。
- 〇 伝わる例(相手が忙しいビジネスマンの場合): 「朝ごはんは食べる時間がないですよね? でもバナナなら、皮をむくだけで3秒でチャージ完了。脳のエネルギーになって、午前中の仕事がバリバリ片付きますよ!」
どうでしょう? 相手の生活(朝は忙しい)に寄り添い、バナナを食べたあとの「良い未来(ベネフィット)」を想像させていますよね。
「バナナそのもの」を売るのではなく、「バナナがある素敵な生活」を売る。 これが、「伝わる」ということです。
5.【体験談】この本を読んで、私が変えたこと
ここからは、実際にこの本を読んだ私の話をさせてください。
「要点をつかんで伝える力」がほしくて読みました
この本を手に取った理由は、端的(たんてき)に要点をつかんで伝える力がつきそうだと思ったからです。
話が長くなってしまう。言いたいことがいくつもあって、どれから話せばいいか分からない。そういう場面が、私にはよくありました。だから「100文字で伝えてください」というタイトルが、そのまま自分への宿題のように見えたのです。
一番ハッとしたのは「伝える」と「伝わる」のちがい
読んでいていちばん効いたのは、記事のはじめに紹介した「伝える」と「伝わる」は全くちがうという話でした。
この2つを同じものだと思っていると、こうなります。
「なんであの人は、私の言っていることを理解してくれないんだろう?」
私は、これを相手の理解力の問題だと思っていました。でも、ちがいました。自分は「伝えた」で終わっていて、「伝わった」かどうかを確かめていなかったのです。
このちがいが分かっていないと、いつまでたっても意思の疎通(そつう)ができません。話せば話すほど、おたがいに「なんで分からないの?」とすれ違っていきます。
いちばん大事なことが、いちばん最初に書いてある本でした。
読んだあとに始めたこと:事実ではなく「ストーリー」で話す
この本を読んで、話し方を変えました。
事実だけを並べるのを、やめました。
それまでの私は、正確に伝えようとするあまり、事実を順番に言うだけになっていました。記事のなかに出てきた「フィリピン産で、黄色くて、細長くて、甘い果物です」という伝わらない例。あれは、まさに昔の私です。
今は、相手の興味を引くところから入って、理解しやすいようにストーリーを立てて話すようにしています。
言っている中身は同じでも、順番を変えるだけで相手の顔つきが変わります。「それで?」と聞き返してもらえたとき、ああ届いたな、と分かります。
この本をおすすめしたい人
私がこの本を読んでほしいのは、相手に伝えたいと思っているのに、なぜか「じゅうぶんに伝わった」という手ごたえが得られない人です。
一生けんめい話しているのに、相手の反応がうすい。分かってもらえた気がしない。そういうモヤモヤを抱えている人には、その原因と直し方の両方が書いてあります。
話し下手だから、口べただから、という話ではありません。投げ方を少し変えるだけで、同じ言葉でも届き方が変わる。それがこの本の伝えたいことだと思います。
6. まとめ:言葉は「プレゼント」
この本が教えてくれる一番大切なこと。 それは、「伝えることは、相手へのプレゼント」だということです。
プレゼントを選ぶとき、「あの子、何が好きかな?」「これなら喜ぶかな?」と一生懸命考えますよね。 言葉も同じです。 自分の言いたいことを投げつけるのではなく、相手が受け取りやすいようにラッピングして、笑顔で手渡す。 それが「伝わる」ということです。
今日から、家族や友達、同僚に話しかけるとき、少しだけ考えてみてください。 「この言葉は、相手にとって嬉しいプレゼントになっているかな?」と。
そのほんの少しの思いやりが、あなたの人生を豊かで楽しいものに変えてくれるはずです。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 あなたの言葉が、大切な誰かに届きますように!

- Q専門用語が多くて難しくありませんか?
- A
いいえ、とても読みやすいです。 難しいビジネス用語は使わず、「キャッチボール」や「料理」など、身近な例え話で解説されているため、専門知識がなくてもスラスラ理解できます。
- Q文章を書く仕事ではないのですが、役に立ちますか?
- A
はい、大いに役立ちます。 文章術だけでなく、上司への報告、家族との会話、デートの誘い方など、日常のあらゆる場面で使える「伝える技術」が学べます。
- Q口下手で話すのが苦手な人でも実践できますか?
- A
はい、誰でも実践可能です。 著者自身も元々は話すのが苦手でした。「伝える」ことはセンスではなく、学んで身につけられる「技術」だと解説されており、明日から使える具体的な法則が満載です。


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