「大きくなったら、何になりたい?」
そう聞かれて、パッと答えられなかったこと、ありませんか?
まわりの友だちが「サッカー選手になる!」「お花屋さんになりたい!」と元気に答えているのに、自分だけ何も浮かばなくて、ちょっと焦ってしまう。そんな経験がある人は、けっこう多いはずです。
でも安心してください。実は大人になっても、100人のうち94人が「このままでいいのかな」と思いながら過ごしているというデータがあるのです。
やりたいことが見つからないのは、あなたの気持ちが弱いからでも、努力が足りないからでもありません。ただ、「脳のしくみ」を知らないだけなのです。
この記事では、1万人以上の才能を引き出してきた脳科学者・西剛志(にし たけゆき)さんの本を、小学生でも分かるようにやさしく解説します。最後には、実際にこの本を読んだ私が何をやってみたのかもお話しします。
この記事でわかること
- やりたいことが見つからない、脳のしくみ的な理由
- 「職業の名前」で探してはいけない理由
- やりたいことを見つける、3つのステップ
- この本を読んだ私が実際に始めたこと
この本ってどんな本?
| 本の名前 | 1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教える「やりたいこと」の見つけ方 |
|---|---|
| 書いた人 | 西剛志(にし たけゆき)/脳科学者 |
| 出版社 | PHP研究所 |
| どんな話? | やりたいことは「職業の名前」ではなく「動詞」で探すと見つかる、という話 |
| こんな人に | やりたいことがまだ見つかっていない人/なりたいものが決められない人 |
1. どうして「やりたいこと」が見つからないの?
選べることが多すぎて、頭がパンクしている
むかしは、生まれた家や場所によって、何をして生きていくかがだいたい決まっていました。
でも今は、YouTuberにも、ゲームを作る人にも、外国で働くことだって選べます。一見すごくいいことに思えますよね。でも、これは脳にとって大変なことなのです。
想像してみてください。レストランで、1000ページもあるメニューを渡されたら、どう思いますか? 選べるどころか、頭がフリーズして「もう決められない!」となってしまいますよね。今の私たちは、まさにその状態なのです。
「職業の名前」で探すのが落とし穴
本のなかで、こんな実験が紹介されています。
子どもたちに「プロ野球選手になりたい人?」と聞くと、たくさんの手が挙がります。ところが、こう聞き方を変えるとどうなるでしょう。
「一生ずっと2軍で、だれにも知られなくて、お給料も安い野球選手になりたい人?」
すると、手はほとんど下がってしまったそうです。
つまり、本当にほしかったのは「野球選手」という肩書きではなかったのです。そこから得られる「ワクワクする感じ」や「すごいねと言われること」のほうを求めていた、というわけですね。
じつは「きらいなこと」のほうが見つけやすい
人間の脳は、「好きなこと」より「きらいなこと」のほうが思いつきやすくできています。
「きらいな食べものは?」と聞かれたら、すぐ答えられますよね。でも「大好きなことは?」と聞かれると、案外まよってしまいます。
いきなり「大好きなこと」を探そうとするから、むずかしいのです。まず「これはイヤだな」を知ることが、じつは一番の近道なのです。

2. やりたいことを見つける、3つのステップ
ステップ1 「イヤだな」を集める
運命のやりたいことを、いきなり探し当てる必要はありません。まずはいろいろ試してみて、「なんかちがうな」という違和感を集めることが大事です。
恋愛の研究では「理想の相手を見つけるには、12人くらいとお付き合いしてみるのがちょうどいい」というデータもあるそうです。数をこなすことで、「これはイヤだ」というデータがたまり、自然と理想の形が見えてくるのですね。
「同じことのくり返しは続かない」「朝早いのは無理」——そんなイヤなことリストが、消去法でやりたいことのヒントになります。
ステップ2 「名詞」ではなく「動詞」で探す
ここが、この本で一番大切なところです。
「YouTuber」という名前(名詞)で考えるのをやめて、その中身をバラバラに分けてみます。すると、こんな動詞が出てきます。
- 企画を考える
- 動画を編集する
- みんなに見せる
このうち、自分はどれが好きなのか。そこを探すのです。
本のなかに、あるプロゴルファーの話が出てきます。その人が本当に好きだったのは、ゴルフそのものではなく「コースの風や芝を読んで分析する」ことでした。だから引退したあとも、会社の経営を分析するコンサルタントとして活躍しているそうです。
「分析する」「作る」「育てる」「表現する」——夢中になれる動詞さえ分かっていれば、たとえ職業が変わっても、一生楽しく続けられるというわけです。

ステップ3 お金の使い道をふり返る
これまでのおこづかいやお年玉を、何に使ってきたか思い出してみましょう。
マンガ、ゲーム、おかし、友だちへのプレゼント——「役に立つから」ではなく「理屈ぬきで好きだから」使ったお金。そこにこそ、才能の原石がかくれています。
3. 見つけた才能を育てる「3つの栄養」
やりたいことの種が見つかったら、次はそれを育てる番です。そのために、脳が喜ぶ「3つの栄養」が必要だといいます。
- ごほうび……お金や、生活が安定していること
- 成長……昨日よりできるようになった、という実感
- つながり……だれかの役に立っている、という安心感
この3つがそろったとき、脳は最高の幸せを感じます。
逆に、1つでも欠けるとストレスになります。おこづかいがたくさんもらえても、上手にならなければつまらない。上達して仲間もいるけれど、まったく報われないのもつらい。どれか1つだけでは足りないのですね。
4. 動けないときに効く、古い言葉
「やろう」と思っても動けないとき。本ではその対策として、「メメント・モリ」という古い言葉が紹介されています。「死を忘れるな」という意味です。
脳は、遠い未来のことを考えるのがとても苦手です。「1年後にごほうびをあげるよ」と言われても、目の前にあるケーキのほうを選んでしまいます。
だから「いつかやろう」の「いつか」は、いつまでたってもやって来ないのです。
でも「もし明日で人生が終わるとしたら?」と考えてみると、まわりの目や「恥ずかしい」という小さな不安が吹き飛んで、「やりたいことをやらなきゃ損だ」という力がわいてくるのだそうです。
5. だれと一緒にいるかで、脳は変わる
人生を一番かんたんに変える方法は、「ワクワクしている人のそばに行くこと」だといいます。
人間の脳には「ミラーニューロン」というモノマネ細胞があります。となりの人があくびをすると、なぜかこちらもあくびが出てしまう、あれです。
気持ちややる気も、同じようにうつります。「ダルい」「つまんない」と言っている人のそばにいると、自分の脳も自動的にそうなってしまいます。反対に、目をキラキラさせて「楽しい!」と言っている人のそばにいれば、こちらも自然とワクワクしてきます。
身近にそういう人がいなくても大丈夫。本を読んだり、あこがれの人の動画を見たりするだけでも効果があるそうですよ。
6. 【体験談】この本を読んで、私がやってみたこと
ここからは、実際にこの本を読んだ私の話をさせてください。
読もうと思ったきっかけ
正直に言うと、本のタイトルそのままで、やりたいことを見つけるのはやっぱり難しいと感じていました。
何かヒントがあればいいな——そんな気持ちで手に取ったのが、この本です。
一番納得したのは「動詞で探す」
一番なるほどと思ったのは、やっぱり名詞で探すより動詞で探すほうがいいという考え方でした。
「〇〇になりたい」と肩書きで考えると、なれるかどうかばかりが気になってしまいます。でも「何をしているときが楽しいか」で考えると、急に自分の話になる感じがしました。この違いは大きいと思います。
読んだあとに始めたこと
それ以来、意識してやっていることがあります。
いつものように名詞で何かが頭に浮かんだら、それを意識的に動詞へ変換してみることです。
たとえば「ブログ」と浮かんだら、そこで止めずに「調べる」「まとめる」「伝える」と分解してみる。どれが一番楽しいかを考えてみる。まだ答えは出ていませんが、頭の使い方が確実に変わった気がしています。

7. この本をおすすめしたい人
私がとくに読んでほしいのは、まだやりたいことが見つかっていない人です。
「自分には何もないのかも」と思ってしまっている人にこそ、やりたいことを発見するきっかけになる本だと思います。
見つからないのは能力の問題ではなく、探し方の問題かもしれない。そう思えるだけでも、気持ちがずいぶん楽になるはずです。
8. まとめ:まずは「動詞」でさがしてみよう
- やりたいことが見つからないのは、選択肢が多すぎて脳がパンクしているから
- 「職業の名前」で探すのは落とし穴。ほしいのは肩書きではなく、その中身
- 「好き」より「きらい」のほうが見つけやすい
- 名詞ではなく動詞で探すと、一生使える答えが見つかる
- 育てるには「ごほうび・成長・つながり」の3つの栄養がいる
- ワクワクしている人のそばに行くと、脳もつられてワクワクする
やりたいことがまだ見つかっていなくても、焦らなくて大丈夫です。
まずは今日、頭に浮かんだ言葉を1つ、動詞に変えてみるところから始めてみてください。それだけで、探し方はぐっと変わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
よくある質問
- Qやりたいことが本当に見つかりますか?
- A
すぐに「これだ!」と見つかるとは限りません。ただ、この本は「探し方」そのものを変えてくれます。職業の名前ではなく動詞で探すという方法に切り替えるだけで、今まで見えていなかったものに気づけるようになります。
- Qむずかしい本ですか?
- A
脳科学の本ですが、実験の話や身近なたとえがたくさん出てくるので読みやすいです。「1000ページのメニュー」「プロ野球選手の実験」など、イメージしやすい話で説明されています。
- Q子どもが読んでも役に立ちますか?
- A
はい。「大きくなったら何になりたい?」に答えられなくて困っている子にこそ向いています。職業の名前で決めなくていい、と分かるだけで気持ちが軽くなります。
- Qすぐに試せることはありますか?
- A
あります。頭に浮かんだ言葉を「動詞」に変えてみるだけです。たとえば「ゲーム」と浮かんだら、「考える」「競う」「集める」のどれが楽しいのかを考えてみてください。今日からできます。


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