「毎日、学校や習い事ばかりでなんだかつまらないな……」 「なんで自分だけ、こんなに嫌な思いをしなければならないんだろう」 そんなふうに、毎日の生活に疲れてしまったり、不満を持ってしまったりすることはありませんか?
私たちは普段、「明日も明後日も、ずっと同じような毎日が続く」と信じて生きています。 でも、もし「今日があなたの人生の最後の日」だとしたら、あなたは何をしたいですか? 誰に会い、どんな言葉を伝えたいでしょうか?
この記事では、これまで何千人もの「人生の最後(お別れの時)」を見守り、寄り添ってきたお医者さんが教えてくれる、後悔しないための生き方のヒントを、やさしく紹介していきます。 難しいお勉強のお話ではありません。当たり前で退屈だと思っていた毎日を、少しちがう目で見るきっかけになればうれしいです。
この本ってどんな本?
| 本の名前 | 今日が人生最後の日だと思って生きなさい |
|---|---|
| 書いた人 | 小澤竹俊(おざわ たけとし)/ホスピス医・めぐみ在宅クリニック院長 |
| 出版社 | アスコム(2016年。2024年に新版も発売) |
| どんな話? | たくさんの患者さんの最期に寄り添ってきたお医者さんが、「今日が人生最後の日だったら」という問いから、人生で本当に大切なことを考える本 |
| こんな人に | 毎日が忙しく、何が大切なのか見失いそうな人/人と比べて落ち込みやすい人 |
20万部を超えるベストセラーです。著者は、2016年の本では2800人、2024年の新版では4000人の患者さんを看取ってきたお医者さんとして紹介されています。
1. もし今日が「人生最後の日」だったら?
私たちは、「もっとお金持ちになりたい」「最新のゲームが欲しい」「おいしいお肉をお腹いっぱい食べたい」と、たくさんの「欲しいもの(欲望)」を持っていますよね。 それ自体は、生きていくためのエネルギーになるので、決して悪いことではありません。
当たり前の毎日が「宝物」に変わる魔法
しかし、お医者さんは言います。病気になってしまったり、歳をとって体が思うように動かなくなったりすると、その「欲しいもの」の形が全く変わってしまうのです。
「ハワイに旅行に行きたい」と言っていた人が、「自分の足でトイレに行きたい」と願うようになります。「豪華なケーキが食べたい」と言っていた人が、「自分の手で、いつものご飯を食べたい」と涙を流すようになります。
「今日が人生最後の日かもしれない」と少しだけ想像してみることで、何でもない普通の毎日が、実はものすごく幸せな「奇跡」の連続であることに気づくことができるのです。
2. 後悔しないための「3つの魔法のルール」
人生の最後の瞬間を迎えた時、多くの人が口にする言葉があります。それは「もっと〇〇しておけばよかった」という後悔の言葉です。 どうすれば後悔せずに済むのか、魔法のルールを3つ紹介します。
① 失敗してもいい!「やりたい!」に挑戦しよう
人生が終わる時、一番辛いのは「やって失敗したこと」ではなく、「やりたかったのに、勇気が出なくてやらなかったこと」です。
「失敗したら恥ずかしいから」「また明日やればいいや」と、やりたいことを先送りにしてはいけません。 もし今日が最後の日だとしたら、失敗を恐れている暇なんてありませんよね。健康で元気な体があるうちに、「やってみたい!」と思ったことには、どんどんチャレンジしてください。失敗したって、命を取られるわけではありませんし、後悔することもありません。
② 人と比べる「競争のメガネ」を外そう
「あの子のほうが足が速い」「自分のほうがお小遣いをたくさんもらっている」「テストの点数が悪かった」と、私たちはすぐ誰かと自分を比べてしまいますよね。 人と比べて「自分はダメだ」と落ち込んだり、逆に「自分のほうがすごい」といばったりすることを、「比較(ひかく)の価値観」と言います。
でも、死が目の前に迫った時、テストの点数や足の速さ、お金持ちかどうかは、心を守るためには全く役に立ちません。 どれだけ偉い人でも、どれだけお金持ちでも、命の終わりは平等にやってきます。
だから、「あの人に勝ちたい」という競争のメガネは、思い切って外してしまいましょう。家族と一緒にご飯を食べること、友達と楽しくおしゃべりすること、自分の好きなことに夢中になること。そういった「身近な幸せ」こそが、本当にあなたを支えてくれるものなのです。
③ 自分の「使命」と「夢」を持とう
毎日をワクワク生きるためには、「自分は何のために生きているのか(使命)」と、「将来どうなりたいか(夢)」を持つことがとても大切です。
「将来はケーキ屋さんになって、みんなを笑顔にしたい!」「大人になったら、困っている動物を助けるお医者さんになりたい!」 そんな素敵な夢を持っているだけで、毎日の勉強やお手伝いが楽しくなりますよね。 夢というのは、「叶えること」だけが目的なのではありません。夢に向かって努力している「今この瞬間(プロセス)」こそが、最高に幸せな時間なのです。
3. どうして心は「苦しい」と感じるの?
生きていると、勉強がうまくいかない、友達とケンカした、お金が足りない……など、誰にでも必ず苦しいことがあります。 では、この「苦しみ」は一体どこからやってくるのでしょうか?
苦しみの正体は「希望と現実のギャップ」
お医者さんは、「苦しみは、希望と現実のギャップ(ズレ)から生まれる」と教えてくれます。
例えば、「テストで100点を取りたい(希望)」と思っているのに、「実際は60点だった(現実)」とします。この「40点のズレ」が、心に「悔しい!苦しい!」という気持ちを生み出すのです。 「好きになってほしいのに、振り向いてくれない」「もっと長く生きたいのに、時間が足りない」。すべて同じ仕組みです。
この仕組みが分かれば、解決する方法も見えてきます。 「理想」と「現実」の差をしっかり見つめて、「じゃあ、あと40点上げるためには、どの漢字を覚えればいいかな?」と、一つずつ差を埋めていく努力をすればいいのです。
苦しみは君を成長させる「心の栄養」
「苦しい思いをするなんて、絶対に嫌だ!」「苦しんでいる人は不幸だ」と思うかもしれません。 しかし、苦しみは決して「悪いもの」だけではありません。 本の第3章のタイトルは、「苦しみから、人は多くのことを学ぶ」です。苦しい経験をしたからこそ、人の痛みがわかるようになったり、自分にとって本当に大切なものに気づけたりすることもあります。
4. 人は一人では生きていけない
苦しい時や辛い時、「自分一人で頑張らなきゃ!」と無理をしてしまう人がいます。でも、人は決して一人では生きていけません。
相手を「100%」理解できなくても大丈夫
もし、君の大切な友達がすごく悲しんで泣いている時、どうやって励ませばいいか分からなくて困ったことはありませんか? 実は、「相手の苦しみを100%完全に理解してあげること」は、誰にもできません。
でも、安心してください。完全に理解できなくても、「相手の理解者(寄り添う人)になること」はできます。 「辛いね」「苦しいね」と、相手の言葉に静かに耳を傾け、ただそばにいてあげること。わかってくれる人がそばにいるだけで、泣いている人の心が少し軽くなることがあります。
助けてもらう勇気を持とう
私たちは、誰かを助け、そして誰かに助けられながら生きています。 「一人で何でもできるかっこいい人」になりたいと憧れるかもしれませんが、人生の最後には、自分一人でできないことがたくさん出てきます。
「手伝ってほしい」「助けてほしい」と素直に言えること、そして誰かに自分のことをお任せする(委ねる)ことができるのも、立派な強さです。 お互いに支え合うことで、人は優しく、そして強くなれるのです。
5. 君の存在は、大切な人の心に残る
最後にお伝えしたい、大切なことがあります。 それは、人の「存在」についてです。
「自分は勉強もできないし、足も遅いし、何の役にも立っていない」と落ち込む夜があるかもしれません。 でも、本には、人によって死生観はちがっても、「体がなくなったあとも、その人の存在は、残された人たちの心の中に生き続ける」と書かれています。 人の価値は、テストの点数や足の速さだけで決まるものではありません。
テストで100点を取らなくても、かけっこで1番にならなくても、君を大切に思っている人たちにとって、君はかけがえのない存在です。 だから、どんな時も自分のことを責めすぎず、自分を大切にしてくださいね。
※もし今、「自分には生きている価値がない」と感じるほどつらい気持ちが続いているときは、一人でかかえこまずに、家族や先生、身近な大人に話してみてください。電話で相談できる窓口もあります。
・24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(子どもと保護者のための相談窓口・24時間・無料)
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(受付時間は地域によってちがいます)
6. この考え方を取り入れるメリットとデメリット
今回紹介した「今日が最後の日だと思って生きる」という考え方を生活に取り入れると、どんな良いことや注意点があるのかを整理してみましょう。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 毎日の生活 | 何気ないご飯や睡眠に「感謝」できるようになり、ストレスが減ることもあります。 | 毎日「今日が最後だ」と常に緊張していると心が疲れてしまうので、月に1回など「時々思い出す」工夫が必要です。 |
| 挑戦と成長 | 「やり残したくない!」という思いが湧くので、新しいことにチャレンジしやすくなります。 | 人と比べること(競争)をやめるため、一時的に「誰かに勝ちたい!」という闘争心が薄れるかもしれません。 |
| 人間関係 | 苦しんでいる人に寄り添う優しさが身につき、周りの人と支え合える絆(きずな)が深まりやすくなります。 | 人に「助けて」と言うのが苦手な人は、最初は少し勇気が必要になります。 |
7. 大切な人へ「手紙」を書いてみよう(ディグニティセラピー)
病院では、人生の最後を迎える人たちが、心穏やかに過ごすための「ディグニティセラピー」という魔法の取り組みをしています。 これは、人生を振り返って、大切な人へ「手紙」を書くというものです。小学生の君も、ぜひノートを開いて、次の質問に答えてみてください。
- 君の今まで生きてきた中で、一番楽しかった思い出は何ですか?
- 家族や友達に、どうしても伝えておきたい「ありがとう」の言葉はありますか?
- 君がこれから頑張りたい「夢」は何ですか?
これを書いて、誰かに話してみるだけで、「自分の人生って、けっこう素晴らしいものだな」「自分はこんなにたくさんの人に愛されていたんだな」と気づくことができます。 この「振り返る力」こそが、心をポカポカに温めてくれる最強の魔法なのです。
8. 実際に読んでみた私の体験談
読んだきっかけ:人生を後悔したくなかった
人生、後悔はしたくないですよね。そんな思いから、この本を読めば、今よりも後悔しないように生きられるのではないかと思って読んでみました。
いちばん納得したこと:「やらなかった後悔」はしたくない
人生で後悔することは、「失敗したこと」ではなく、「やらなかったこと」だという話に納得しました。
チャンスはあったのに、やらなかった、チャレンジしなかった。そんな後悔はしたくないと思いました。
読んだあとにやったこと:人と比べるのをやめた
読んだあと、人と比べるのをやめました。
結局、自分の人生を評価するのは自分です。人の目線や価値観に引っぱられて自分の行動を決めるのはナンセンスだと思いました。そこで、自分の満足感を満たすことに自分の時間を使うように、考え方を改めました。
やってみて変わったこと:時間に余裕ができ、満足感が増えた
時間に余裕ができて、やることに今まで以上に満足感を感じられるようになりました。この感覚はぜひ味わってもらいたいので、この本を読むすべての人に実践してほしいと思いました。
この本をおすすめしたい人
今の生活に、「これをやった」「達成感がある」という感覚がない人は、だまされたと思って、この本の内容を実践してみてはどうでしょうか。
実践するのに、それほど時間はかかりません。自分に合えば、「自分の人生を生きている」という感覚が、グッと感じられると思います。
【耳で聴きたい人へ】『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』は、オーディオブックの「audiobook.jp」でも配信されています(再生時間 約2時間13分)。通勤や家事の時間に、ゆっくり耳で聴いてみるのもおすすめです。
9. まとめ:今日から一日一日を大切に生きよう
いかがでしたか? お医者さんが教えてくれた「後悔しない生き方」の秘密、たくさんありましたね。 大切なポイントをおさらいしましょう。
- 日常に感謝する: 当たり前の毎日が、実は一番の宝物です。
- やりたいことに挑戦: 失敗を恐れず、先送りをやめよう。
- 人と比べない: 競争のメガネを外して、自分の幸せを見つけよう。
- 苦しみから学ぶ: 苦しい経験から、人は多くのことを学びます。
- 支え合う: 困った時は助けを求め、泣いている人にはそっと寄り添おう。
- 自分を大切に: 君の存在は、大切な人の心に残り続けます。
私たちは、明日が必ず来ると思っています。でも、今日という一日は、二度と戻ってこない特別な日です。 「将来のために、今は我慢する」ということも時には大切ですが、「今、この瞬間」を思い切り楽しんで、一生懸命生きることも同じくらい大切です。
まずは今日の夜、お布団に入った時に、「今日も美味しいご飯が食べられて幸せだったな。お父さん、お母さん、ありがとう」と心の中でつぶやいてみてください。 その小さな感謝の気持ちが、あなたの毎日を、少しずつ後悔の少ないものにしてくれるかもしれません。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、あなたが自分自身の素晴らしさに気づき、笑顔と優しさに包まれた毎日を過ごすための、温かいヒントになればとってもうれしいです。 あなたが、あなたらしく、キラキラと輝く人生を歩んでいけることを、心から応援しています!
- Q死をテーマにした本ですが、読んでいて暗い気持ちになりませんか?
- A
暗い気持ちにさせる本というより、「だからこそ、今日をどう生きるか」を考えるきっかけになる本です。ただ、感じ方は人それぞれです。今とてもつらい気持ちが強いときは、無理に読まなくても大丈夫です。
- Q医療や心理学の難しい専門知識がなくても読めますか?
- A
はい、読めます。お医者さんが書いた本ですが、実際に看取ってきた患者さんたちのエピソードを通して語られているので、専門知識がなくても読み進めやすい本です。
- Q特にどのような人におすすめの本ですか?
- A
毎日が忙しく、何が大切なのか見失いそうな人や、他人と比べて落ち込みやすい人におすすめです。「今日が最後の日だったら」と考えてみることで、自分にとって本当に大切なものが見えてくるかもしれません。


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