「布団(ふとん)に入ったのに、今日やってしまった失敗を思い出して眠れない……」 「LINEの返事が来ないのは、嫌(きら)われたからかな?」 「もし明日、学校や会社でうまくいかなかったらどうしよう」
そんなふうに、頭の中で悪い想像(そうぞう)がグルグル回って、止まらなくなったことはありませんか? 考えすぎてしまうことは、とても辛(つら)いですよね。 「自分はなんて心配性(しんぱいしょう)な性格(せいかく)なんだろう」と、自分を責(せ)めてしまう人もいるかもしれません。
でも、安心してください。 実は、「考えすぎてしまうこと」は、あなたの性格のせいではありません。 ただの「悪い習慣(しゅうかん)」であり、コンピュータのプログラムにある「小さなバグ(誤作動)」のようなものなのです。
今回ご紹介(しょうかい)するのは、世界中で150万部以上も売れているベストセラー、『STOP OVERTHINKING(ストップ・オーバーシンキング)』です。 この本には、科学的な研究に基づいた「考えすぎのループから抜け出す方法」がたくさん書かれています。
脳(のう)をスッキリさせて、毎日を楽しく過ごすための「5つの魔法(まほう)」をやさしく解説(かいせつ)します!
1. 考えすぎは「性格」じゃなくて「習慣」!
まず最初に、一番大切なことをお話しします。 多くの人が「私は生まれつき心配性だから、一生治らない」と勘違(かんちが)いしています。
でも、科学の研究で驚(おどろ)くべきことが分かっています。 不安になりやすい原因のうち、遺伝(いでん:生まれつきのもの)は、たったの26%しかありません。 では、残りも74%は何でしょうか? それは、育った環境(かんきょう)や、今までの生活で身についた「習慣」なのです。
心の「バグ」は直せる
パソコンやゲームにバグ(不具合)があっても、プログラムを直せばまた動きますよね? それと同じで、「考えすぎてしまう癖(くせ)」も、トレーニングをすれば書き換(か)えることができるのです。
「自分はダメだ」と思う必要はありません。 「あ、今バグが起きているな。修理(しゅうり)しよう!」と軽く考えるところから始めましょう。
2. 魔法の呪文「5-4-3-2-1法」
急に不安が襲(おそ)ってきて、ドキドキが止まらなくなったとき。 一瞬(いっしゅん)で心を落ち着かせる、最強のテクニックがあります。 それが「5-4-3-2-1法」です。
これは、暴走(ぼうそう)している脳みそを、「今、ここ」に強制的に引き戻す方法です。 やり方はとても簡単です。
- 目に見えるものを5つ探す(時計、ペン、空……)
- 体に触(ふ)れているものを4つ感じる(服の感触、椅子の硬さ、風……)
- 耳に聞こえる音を3つ聞く(車の音、話し声、エアコンの音……)
- 匂(にお)いを2つ感じる(コーヒーの香り、雨の匂い……)
- 味を1つ感じる(口の中のガムの味、お茶の味……)
これをやると、脳は「過去の失敗」や「未来の不安」を考えるのをやめて、「今の感覚」に集中し始めます。 まるで緊急停止(きんきゅうていし)ボタンのように、不安のループを止めることができるのです。
3. 頭の中の大渋滞を整理する「カンバン方式」
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ!」とパニックになることはありませんか? そんなときは、世界のトヨタ自動車が使っている「カンバン方式」を使いましょう。 これを個人の生活に応用すると、頭の中が驚くほどスッキリします。
やることを「見える化」しよう
頭の中だけで覚えようとするのはやめましょう。 付箋(ふせん)やメモを使って、タスク(やること)を3つのグループに分けます。
- これからやること(ToDo)
- 今やっていること(進行中)
- 終わったこと(完了)
一番大切なルールは、「今やっていること」の場所に、付箋を1枚しか置かないことです。 人間は、一度にたくさんのことはできません。 「今はこれだけやればいい!」と決めることで、脳の疲れが激減(げきげん)します。
そして、終わった付箋が「完了」の場所に溜(た)まっていくのを見ると、「私、こんなに頑張ったんだ!」と自信になりますよ。
4. 「変えられること」だけに集中する
私たちが悩んでしまう原因のほとんどは、実は「自分ではどうにもできないこと」について考えているからです。
- 明日の天気
- 他人が自分のことをどう思うか
- 過去に起きてしまった失敗
これらは、どんなに願っても変えることはできません。 変えられないことを変えようとするのは、「重たい岩を、素手(すで)で押して動かそうとする」のと同じくらい、無駄(むだ)で疲れることです。
エネルギーの使い道を変えよう
古代の賢(かしこ)い人たちは言いました。 「コントロールできることだけに集中しなさい」と。
雨を止めることはできません(変えられないこと)。 でも、「傘(かさ)を持っていく」ことや「家で楽しく過ごす」こと(自分の行動)は、自分で決められますよね。 悩みの種(たね)が見つかったら、「これは自分で変えられるかな?」と問いかけてみてください。 「変えられない」と思ったら、それはもう考えるのをやめる合図(あいず)です。
5. 悩みのゴミ箱「ジャーナリング」
どうしてもモヤモヤが消えないときは、「書く」ことが最強の薬になります。 これを「ジャーナリング(日記療法)」と呼びます。
脳のゴミを外に出す
きれいな文章を書く必要はありません。 「ムカつく!」「悲しい!」「なんで分かってくれないの!」 そんな汚(きたな)い言葉でもいいので、頭に浮かんだことを全部ノートに書きなぐってみてください。
頭の中で考えているだけだと、悩みは雪だるまのように大きくなってしまいます。 でも、紙に書いて外に出してしまうと、「あれ? 私が悩んでいたのって、これだけのこと?」と、意外と小さく見えるものです。 書くことは、脳の中をお掃除(そうじ)して、ゴミを外に捨てる作業と同じなんですね。
6. この方法のメリット・デメリット
この本で紹介されている方法には、良い点もあれば、注意すべき点もあります。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 効 果 | 即効性(そっこうせい)があります。「5-4-3-2-1法」などは、その場ですぐに落ち着けます。 | 習慣になるまで、少し時間がかかります(平均66日かかるという研究もあります)。 |
| 手軽さ | 特別な道具やお金は必要ありません。体一つでできます。 | 完璧(かんぺき)にやろうとすると、逆にそれがストレスになることがあります。 |
| 変 化 | 脳の回路が変わり、ストレスに強い心になります。睡眠(すいみん)の質も良くなります。 | 長年の癖(くせ)を直すので、最初は「ついつい考えちゃう」という失敗も起きます。 |
7. まとめ:まずは「小さな一歩」から
『STOP OVERTHINKING』が教えてくれる、考えすぎループから抜け出すヒント。
- 考えすぎは「バグ」: 性格のせいじゃないから、直せる!
- 5-4-3-2-1法: 五感を使って、今この瞬間に戻ってくる。
- カンバン方式: 「今やること」を1つに絞(しぼ)る。
- コントロールできること: 変えられない天気より、自分の傘を選ぼう。
- ジャーナリング: モヤモヤは紙に書き出して捨てる。
これら全部を、今日から完璧にやる必要はありません。 「完璧にやらなきゃ!」と思うこと自体が、考えすぎの始まりですからね。
まずは、今日寝る前に「楽しかったこと」を1つ思い出すだけ、あるいは深呼吸(しんこきゅう)して周りの音を聞いてみるだけでもOKです。 そんな小さな積み重ねが、あなたの脳のバグを修正し、もっと自由に、もっと軽やかに生きる力をくれます。
考えすぎて動けなくなったら、思い出してください。 「行動する勇気は、不安を考え尽くすことよりも強い」 考えるのをやめて、エイッと一歩踏み出せば、案外世界は優しいものですよ。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、悩めるみなさんの心を少しでも軽くするお守りになれば嬉しいです!
- Q心理学や脳科学の難しい話ばかりで、途中で挫折しませんか?
- A
いいえ、専門知識は不要です。 難しい理論よりも「今すぐできる具体的なアクション(5-4-3-2-1法など)」に重点が置かれています。平易な言葉で解説されているので、読書が苦手な方でもスラスラ読めます。
- Q前作を読んでいなくても理解できますか?
- A
はい、この一冊から読み始めて問題ありません。 著者の他の作品とつながりはなく、本書だけで「考えすぎのメカニズムと解決法」が完結しています。
- QKindle UnlimitedやAudible(聴く読書)の対象ですか?
- A
はい、Audible版も非常に人気があります。 「5-4-3-2-1法」などは、文章で読むだけでなく、音声でガイドを聞きながら実践するとより効果的です。不安を感じた時の「お守り」としてスマホに入れておくのもおすすめです。


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