【要約】『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子|AI時代にいちばん大切な「読解力」

※本ページはプロモーションが含まれています

AIに勝てる武器と、計算機にはできない読解力の正体、というタイトル画像。辞書と電卓を持って「意味???」と困るロボットと、本を読みながら物語の世界を思いうかべる男の子 自己啓発・マインド

「AIが発達(はったつ)したら、私たちの仕事がなくなるの?」 「AIが人間よりも賢(かしこ)くなって、世界を支配(しはい)するって本当?」

 テレビやYouTubeでそんな怖い話を聞いて、不安になったことはありませんか?実は、この本の著者は「AIが人間を超える日(シンギュラリティ)」は来ない、と考えています。 なぜなら、AIには超(こ)えられない「壁(かべ)」があるからです。

 でも、安心するのはまだ早いです。 AIが進化する中で、私たち人間にとって「本当に恐(おそ)ろしい事実」が明らかになりました。 それは、AIが賢くなりすぎたことではなく、「教科書の文章の意味を、正しく読み取れていない子どもがたくさんいる」ということなのです。

 今回ご紹介するのは、東大合格(とうだいごうかく)を目指すAI「東ロボくん」を開発した数学者が書いたベストセラーです。 この本を読むと、AIの正体と、これからの時代を生き抜(ぬ)くための「最強の武器(ぶき)」が分かります。

 では、できるだけやさしく解説(かいせつ)していきます!

この本ってどんな本?

本の名前AI vs. 教科書が読めない子どもたち
書いた人新井紀子(あらい のりこ)/数学者。国立情報学研究所の教授で、AI「東ロボくん」のプロジェクトを進めた人
出版社東洋経済新報社(2018年)
どんな話?東大合格を目指したAIの挑戦から、AIにできること・できないことを説明し、全国の読解力調査からわかった「教科書が読めない子どもたち」の問題を伝える本
こんな人にAIに仕事を奪われるのが不安な人/子どもの勉強や読解力が気になる親や先生

本は4つの章でできています。「MARCHに合格」「桜散る」「教科書が読めない」「最悪のシナリオ」と、東ロボくんの挑戦から、読解力の調査、そしてこれからの社会への警告へと話が進んでいきます。

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1. AIは「意味」がわかっていない!?

 まず最初に、AI(人工知能)の正体についてお話しします。 Siri(シリ)やGoogle翻訳(ほんやく)など、AIはまるで人間のように会話をしたり、計算したりしますよね。 でも実は、AIは言葉の意味をこれっぽっちも理解していません。

AIは「超(ちょう)すごい計算機」

 著者の新井紀子(あらい のりこ)先生は、AIはコンピュータ(計算機)の上で動くものなので、できるのは「計算」だけだと説明しています。

 例えば、AIに「猫(ねこ)の写真を出しなさい」と命令すると、AIは猫の写真をパッと出してくれます。 でもこれは、「これがニャーと鳴く生き物だ」とわかっているわけではありません。 「この色の並び方は、過去のデータを見ると『ネコ』というラベルがついていることが多いぞ」と、計算と統計(とうけい)で当てているだけなのです。


2. 東大を目指したAI「東ロボくん」の挫折(ざせつ)

 新井先生たちは、AIの実力を確かめるために「東ロボくん」というAIを作って、東京大学の入試に挑戦(ちょうせん)させました。 結果はどうだったと思いますか?

計算は得意だけど、国語ができない

 東ロボくんは、歴史の年号を覚えたり、複雑な計算をしたりするのは人間よりもずっと得意でした。 模試では偏差値(へんさち)57.1を取り、MARCH(マーチ)と呼ばれる有名私立大学の合格圏に入るほどになりました。

 でも、結局、東大には合格できませんでした。 なぜなら、「国語(読解力)」の壁をどうしても超えられなかったからです。

意味がわからないと解けない問題

 例えば、こんな問題があります。

【問題】 「Alex(アレックス)は男性にも女性にも使われる名前で、女性の名 Alexandra(アレクサンドラ)の愛称(あいしょう)でもあるが、男性の名 Alexander(アレクサンダー)の愛称でもある。」

【質問】 Alexandraの愛称は(   )である。

  1. Alex
  2. Alexander
  3. 男性
  4. 女性

【参照元】新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』より

 人間なら、文章を読めばすぐに「答えは1のAlexだ」とわかりますよね。 でも、AIにはこれが難しいのです。 AIは「Alex」と「Alexandra」という単語が近くにあることは計算でわかりますが、「AはBの愛称である」という言葉の「意味」を本当には理解していないからです。

 AIは「意味」を理解せず、ただキーワードを探して計算しているだけ。だから、少しひねった問題を出されると、手も足も出なくなってしまうのです。

AIは計算するけど、人間はイメージできる、というイラスト。辞書と電卓を持って「意味???」と困るロボットと、本を読みながらお城や森の世界を思いうかべる男の子

3. 本当に怖いのは「AIみたいになる子供たち」

 ここからが、一番怖い話です。 新井先生がたくさんの子供たち(中学生・高校生)に、読解力を調べるテスト(RST)をしてみたところ、衝撃的(しょうげきてき)なことがわかりました。

教科書が読めていない!?

 なんと、多くの中高生が、教科書の内容を正しく理解できていなかったのです。 本によると、先ほどの「Alexの問題」の正答率は、中学生で38%、高校生でも65%でした。 書いてあることをただ読み取るだけの問題でも、間違えてしまう子がたくさんいたのです。

 これはどういうことでしょうか? もしかすると、私たち人間も、「意味を考えずに、キーワードだけを見て適当(てきとう)に答える」という、AIのような読み方をしてしまっているのかもしれません。

 計算や暗記(あんき)でAIと勝負しても、人間が勝つのはとても難しいでしょう。 それなのに、人間の強みであるはずの「意味を理解する力(読解力)」まで失ってしまったら……。 AIに仕事を奪(うば)われる未来が、現実になってしまいます。


4. AIにできる仕事、人間にしかできない仕事

 では、これからの時代、どんな仕事が残り、どんな仕事がAIに任されるのでしょうか。 本の内容をもとに、わかりやすく表にまとめてみました。

      AIが得意なこと(人間は負ける)人間が得意なこと(AIは苦手)
特 徴「論理(ろんり)・確率・統計」 計算、暗記、パズル、大量のデータ処理。「意味・常識・柔軟性(じゅうなんせい)」 気持ちを理解する、想定外のことに対応する。
具体的な仕事・銀行の窓口業務・駅の改札・工場のライン作業・事務処理(データ入力など)・介護(かいご)や保育・新しい商品やアイデアを考える仕事・難しい交渉(こうしょう)をする営業
これからこういう仕事は、AIやロボットに代わっていく可能性があります。こういう仕事は、AIが苦手なので、人間の力が必要だと考えられます。

 AIは「枠(わく)組み」が決まっている仕事は得意ですが、「空気を読む」とか「臨機応変(りんきおうへん)に対応する」ということはできません。 例えば、道に迷ったお年寄りがいたら、人間なら「どうしましたか?」と声をかけられますが、プログラムされていないAIロボットにはそれができないのです。

ただし、本ではここで大切な注意がされています。

「AIが苦手な仕事は、人間がやればいい」と思うかもしれません。でも、そうした仕事をするには、文章の意味を正しく読み取る力が欠かせません。読解力が足りないままだと、「AIにできない仕事は、人間にもできない」という未来になってしまうかもしれない。著者はそう警告しています(本の第4章「最悪のシナリオ」)。

AI時代に人間が仕事で価値を出すための考え方は、『10年後、君に仕事はあるのか?』の要約記事でも紹介しています。


5. 私たちが身につけるべき「最強のスキル」とは?

AIに負けないために、私たちはどうすればいいのでしょうか? 答えはとてもシンプルです。

「教科書をちゃんと読む」こと

「えっ、それだけ?」と思うかもしれません。 でも、これが一番大切で、一番難しいことなのです。

 ただ文字を目で追うのではなく、「どうしてそうなるのかな?」「つまりどういうことかな?」と、書いてあることの意味をしっかり考えながら読むこと。 これこそが、AIが苦手とする、人間の大切な力です。

丸暗記(まるあんき)はやめよう

「テスト勉強=キーワードの暗記」だと思っていませんか? 歴史の年号や英単語をいくら覚えても、それはAIの方が得意なことです。 それよりも、「なぜその事件が起きたのか」「この文章は何を伝えたいのか」を自分の頭で考える練習をしてください。

考える力が未来を開くカギになる、というイラスト。男の子が「読解力(意味を考える)」と書かれた金色のカギを、「未来への入り口」の扉にさしこもうとしている。足元には暗記や計算のカギが落ちている

6. 実際に読んでみた私の体験談

読んだきっかけ:AIを使えることと「教科書が読めない」はどうつながる?

これからの時代、AIを使えることは欠かせないスキルだと感じています。AIを使える人と使えない人では、仕事のスピードも違いますし、できることにもだいぶ差が出ると思います。

AIはこれから、電気や水道のような「インフラ」になっていくのではないでしょうか。そんな中で、AIが使えないのはとても不利だと思います。それが「教科書が読めない子ども」とどうつながるのか、興味がありました。

いちばん考えさせられたこと:AIが人間を超える日は来るのか?

本では、「AIが人間を超える日は来ない」と書かれています。でも私は、部分的にはもう超えていると思います。

もちろん、超えられないところもあります。ただ、この先AIがAIを育てるようになったら、どうなるかわからないのではないでしょうか。AIが感情のような複雑な考え方までプログラムしだしたら、どうなるでしょう。読みながら、そんなことを考えさせられました。

読んだあとにやったこと:AIを使ってみた

実際にAIを使ってみました。たまに変な答えを返すこともありますが、とても便利です。これは使わないともったいない、と思いました。

調べもの、ちょっとした相談、プログラムを書いてもらうことなど、パソコンを使う人なら、いろいろなことに使えます。

やってみて変わったこと:時代が変わったと感じた

パソコンが出てきたときも、紙と違ってすぐに直せる、文章の見た目を整えるのが楽、といった便利さがありました。でもAIは、それよりもっと驚きです。便利さが段違いだと感じています。

この本をおすすめしたい人

AIを使ったことがない人に、ぜひこの本を読んでほしいです。AIについての知識を増やして、実際にさわってみてもらいたいと思います。

子どもにAI時代の力を育てる方法は、『わが子に教えるAI時代に必要な7つの能力』の要約記事で紹介しています。

【耳で聴きたい人へ】『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』は、オーディオブックの「audiobook.jp」でも配信されています(再生時間 約8時間16分)。通勤や家事の時間に聴けるので、忙しい人でも読み進めやすいです。

7. まとめ:人間らしく生きるために

この本『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』が教えてくれること。

  1. AIは神様じゃない: AIはただの計算機。意味はわかっていない。
  2. キーワード読みを卒業しよう: キーワードだけ拾うのではなく、意味を理解しよう。
  3. 読解力(どっかいりょく)が最強の武器: AIにできない「理解する力」を磨(みが)こう。

 AIはとても便利な道具です。 私たちがしっかりとした「読解力」を持っていれば、AIを上手に使いこなして、もっと豊かな生活を送ることができます。 でも、考えることをやめてしまったら、AIに使われる側になってしまうかもしれません。

 今日から、教科書や本を読むときに、少しだけ立ち止まって「これってどういう意味だろう?」と考えてみてください。 その「考える時間」こそが、あなたが人間らしく、賢く生きるための第一歩になりますよ!

 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、みなさんの「考える力」を伸ばすきっかけになれば、とても嬉しいです。 AIに負けない、素敵な未来を作っていきましょう!

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Q
数学やAIの専門知識がなくても読めますか?
A

はい、専門知識がなくても読めると思います。AIのしくみについての話も出てきますが、著者が「AIに何ができて、何ができないか」をていねいに説明しているので、文系の人でも読み進めやすい本です。

Q
自分の子供の「読解力」が心配になりました。対策も書かれていますか?
A

ドリルのような具体的な勉強法の本ではありません。どちらかというと、「なぜ今、読解力が大切なのか」を知るための本です。全国の読解力調査の結果や、実際に出された問題がのっているので、子どもの勉強について考えるきっかけになると思います。

Q
耳で聴くこと(オーディオブック)はできますか?
A

はい、オーディオブックの「audiobook.jp」などで配信されています(再生時間 約8時間16分)。ただ、本の中には読解力テストの問題や図も出てくるので、問題をじっくり解いてみたい人は、紙や電子書籍で読むのもおすすめです。

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