「あの人がリーダーのチームは、なぜかいつも雰囲気がいいし、結果も出ている……」「自分がリーダーになったら、どうすればみんながついてきてくれるんだろう?」 学校の班長や部活のキャプテン、会社のリーダーをまかされて、そんなふうに悩んだことはありませんか?
今回ご紹介するのは、越川慎司(こしかわ しんじ)さんの『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』です。たくさんの会社のリーダーたちの行動をAI(人工知能)で分析して、「成果を出し続けるリーダー」に共通する習慣を明らかにした本です。
この本に出てくる「トップ5%リーダー」は、会社の評価でずっと高い点数を取り続けている人たちです。でも実は、能力や学歴が特別にすぐれているわけではありません。この記事では、AIが見つけた「意外な特徴」と、だれでもマネできる習慣を、やさしく紹介します。
この本ってどんな本?
| 本の名前 | AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣 |
|---|---|
| 書いた人 | 越川慎司(こしかわ しんじ) |
| 出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン(2021年) |
| どんな話? | 27社のリーダーの行動をAIで分析して、成果を出し続けるリーダーに共通する特徴と習慣をまとめた本 |
| こんな人に | メンバーといい関係を作りながら結果を出したい人/リーダーになって伸び悩んでいる人 |
2020年に出た『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』に続く、シリーズ第2弾です。前作が「一人ひとりの働き方」の本だったのに対して、この本は「チームをまとめるリーダー」がテーマです。
1. AIが見つけた「トップ5%リーダー」ってどんな人?
27社のリーダーの行動をAIで分析
越川さんは、27社の協力のもと、たくさんの管理職(リーダー)の行動を、合計1,400時間以上にわたって記録し、AIで分析しました。人事評価やメールのやりとり、話し方なども調べて、「トップ5%リーダー」と「それ以外のリーダー」のちがいを見つけ出したのです。
「鬼軍曹」ではなく「懐の深い優しい先輩」
「すごいリーダー」と聞くと、みんなをビシビシ引っぱる、こわい「鬼軍曹(おにぐんそう)」のような人を想像するかもしれません。
ところが本では、トップ5%リーダーの印象を、怖いイメージではなく「懐(ふところ)の深い優しい先輩」と表現しています。見た目はおだやかですが、頭の中では、細かく、そして熱い気持ちで物事を考えているのだそうです。
2. AIが見つけた!トップ5%リーダーの「意外な特徴」
本では、トップ5%リーダーの意外な特徴がいくつも紹介されています。ここでは、その中から4つを見ていきましょう。
① 歩くのが遅い
テレビドラマに出てくるようなえらい人は、いつも忙しそうに早歩きをしているイメージがありませんか? ところが、会社に置いたカメラの映像を分析すると、トップ5%リーダーの59%は、ほかのリーダーよりもゆっくり歩いていたのです。
トップ5%リーダーの58%は、アンケートで「わざと時間と気持ちに余裕を作るようにしている」と答えていました。越川さんは、この心の余裕が、歩く速さに表れているのではないかと考えています。
ゆっくり歩くリーダーには、メンバーも「今、ちょっといいですか?」と声をかけやすくなります。トップ5%リーダーは、メンバーから気軽に話しかけられることや、雑談を大切にしているのです。

② 「メンバーにはかなわない」と思っている
トップ5%リーダーの48%は、「自分がメンバー全員の能力を上回っている必要はない」と答えていました。一方で、ほかの多くのリーダーは、「メンバーにかなわないと思いますか?」という質問に、75%が「いいえ」と答えています。
トップ5%リーダーは、自分がいちばんできる人になることよりも、メンバー一人ひとりの才能を見つけて、それをチームの中で輝かせることが自分の役目だと考えているのです。
③ 「情報」よりも「感情」を共有する
トップ5%リーダーの67%は、「情報」よりも「感情(気持ち)」を共有することを大切にしていました。これは、ほかのリーダーの21倍にもなります。
チームで成果を出し続けるには、仕事の情報を伝えるだけでなく、メンバーの気持ちに寄りそうことも大切だと知っているのです。
④ 弱さを見せて、人とのつながりを広げる
トップ5%リーダーは、完璧なふりをしません。自分の弱さを見せることで、まわりの人とのつながりを広げています。また、自分ひとりでチャンスをつかみに行くだけでなく、「人からチャンスをもらう」ことも、トップ5%リーダーの特徴として紹介されています。
3. チームが動き出す「話し方」と「会議」の習慣
話は短く!「あれ・これ」を使わない
学校の校長先生のお話が長すぎて、途中で眠くなってしまったことはありませんか? 「たくさん話せば、相手に伝わる」というのは大きな勘違いです。トップ5%リーダーは、話が短いのが特徴です。
そして、話すときには「あれ」や「それ」といった言葉を使いません。「あれってどれのことだっけ?」と、相手を迷わせてしまうからです。自分が「伝える」ことよりも、相手にしっかり「伝わる」ことを大切にしているのです。
会議の最初は「2分間の雑談」から
話し合い(会議)をするとき、いきなり「さあ、始めましょう!」と真面目な顔でスタートしていませんか? これだと緊張してしまって、なかなか意見が出てきません。
トップ5%リーダーは、会議の最初の2分間を、お天気やお昼ごはんの話など、ちょっとした雑談に使います。すると、「こんなことを言っても大丈夫そうだな」という安心感が生まれ、意見が出やすくなるのです。
4. まずは「やめること」を決めよう
「トップ5%リーダーの習慣は分かったけれど、明日から何をすればいいの?」と思うかもしれません。
本では、やることを増やす前に、先に「やめること」を決めることもすすめています。私たちの毎日は、本当はやらなくてもいいことでいっぱいです。「この作業は本当に必要かな?」と見直して、思い切ってやめることで、時間と心に余裕が生まれます。
まずは「今日はゆっくり歩いてみよう」「会議の前に2分だけ雑談してみよう」といった、小さなことから試してみてください。
5. トップ5%リーダーの習慣のメリット・デメリット
| メリット(良いところ) | 気をつける点 | |
|---|---|---|
| チームの雰囲気 | 話しかけやすいリーダーになることで、メンバーが相談しやすくなる | ゆっくり歩く、雑談をするなど、最初は「のんびりしすぎ?」と不安になるかもしれない |
| 話し方 | 話を短くすることで、相手に伝わりやすくなる | 短く話すには、何を伝えたいかを先に整理する練習が必要 |
| 自分の気持ち | 「全部自分ができなくていい」と思えて、気持ちが楽になる | 弱さを見せることに、最初は勇気がいる |
6. 実際に読んでみた私の体験談
読んだきっかけ:トップ5%の「習慣」を知りたかった
リーダーシップは、社会に出てから必要になるスキルです。だからこそ、トップ5%のリーダーがどんな習慣を持っているのか、興味があって読んでみました。
いちばん感じたこと:失敗をこわがらない心の強さ
読んでいていちばん感じたのは、「失敗はこわくない」と割り切れる心の強さが必要なんだ、ということです。
私のような凡人は、やっぱり失敗したら恥ずかしいし、「やらなきゃよかった」と思うことがあります。特に小さいころは、ずっとそう思っていました。この感覚を乗りこえることが大事なんだと思いました。

読んだあとにやったこと:「行動」を少しずつ増やした
やっぱり、いちばん大事なのは「行動する」ことだと思います。失敗するのも、成功するのも、行動があってこそです。
そこで、いつもより一言多く話す、少し歩く範囲を広げるなど、ほんの少しずつですが、行動することを増やしています。
この本をおすすめしたい人
日ごろから「成長したい」と思っている人は、ぜひこの本を読んで、さらなる飛躍をとげてほしいです。
【耳で聴きたい人へ】『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』は、オーディオブックの「audiobook.jp」でも配信されています(再生時間 約4時間40分)。通勤や家事の時間に耳で聴いて、少しずつ読み進めるのもおすすめです。
7. まとめ:すごいリーダーは「優しい先輩」だった
いかがでしたか? AIが見つけたトップ5%リーダーは、こわい鬼軍曹ではなく、メンバーに寄りそう「懐の深い優しい先輩」でした。最後に、大切なポイントをおさらいしましょう。
- ゆっくり歩く:心に余裕を持ち、話しかけやすいリーダーになる
- メンバーにはかなわないと思う:自分が一番になるより、メンバーの才能を輝かせる
- 感情を共有する:情報だけでなく、気持ちにも寄りそう
- 弱さを見せる:完璧なふりをせず、人とのつながりを広げる
- 話は短く、会議は雑談から:相手に「伝わる」ことを大切にする
- 先に「やめること」を決める:余裕を作ることから始める
リーダーシップは、生まれつき特別な人だけが持っている力ではありません。本の中でも、トップ5%リーダーのやり方は、ほかの人でもマネできることが分かったと書かれています。今日学んだことの中から、まずは1つだけ、試してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が、リーダーとして悩んでいるあなたのヒントになればうれしいです。
- Qリーダーや管理職ではないのですが、役に立ちますか?
- A
はい、役に立ちます。本の中でも、トップ5%リーダーのやり方は、それ以外の人でもマネできることが分かったと書かれています。「話は短く」「会議の最初は雑談から」などは、リーダーでなくても今日から試せます。
- Q『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』とは、何がちがいますか?
- A
同じ越川慎司さんの「トップ5%」シリーズです。2020年に出た『トップ5%社員の習慣』は一人ひとりの働き方がテーマで、2021年に出たこの本は、チームをまとめるリーダーがテーマです。この本は、シリーズの第2弾にあたります。
- QAIやデータ分析の知識がなくても読めますか?
- A
はい、読めます。AIで分析したデータがもとになっていますが、紹介されているのは「歩くのが遅い」「話が短い」など、ふだんの行動の話です。専門的な知識がなくても、身近な例として読み進められます。



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