君はゲームやスポーツで、ものすごく強いライバルに勝とうと、複雑な作戦を考えたり、すごい技(ファインプレー)を練習したりしていませんか?
実は、お金を増やす「投資」の世界には、とても不思議な真実があります。それは、「ものすごいファインプレー」を狙う人はほとんど失敗し、「ミスをしない人」だけが確実に勝つというルールです。
この本は、投資の世界がまるで「敗者のゲーム」であることを教えてくれます。敗者のゲームとは、プロのようにすごい技術で勝つのではなく、相手のミスを待ったり、自分がミスをしないようにすれば勝てるゲームのことです。
では、私たちの身近にあるお金を、プロの投資家たちに負けず、安全に、そして確実に増やすにはどうすればいいのでしょう?その答えは、誰でもできる、たった一つのシンプルで簡単な方法にあります。
この記事を読めば、ムダな努力や勉強に時間をかけず、将来の目標(おこづかい、夢、老後)のために着実に資産を増やす最強の知恵が手に入ります。さあ、一緒に「投資の鉄則」を学び、お金持ちになるためのシンプルで確実な道を歩み始めましょう!
この本ってどんな本?
| 本の名前 | 敗者のゲーム(原著第8版) |
|---|---|
| 書いた人 | チャールズ・エリス(訳:鹿毛雄二・鹿毛房子) |
| 出版社 | 日本経済新聞出版 |
| どんな話? | 投資はすごい技で勝つゲームではなく、ミスをしないほうが勝つゲームだ、という話 |
| こんな人に | 投資をこれから始めたい人/投資で失敗したくない人 |
1. 投資の世界のヒミツ:「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」って何?
テニスでわかる「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」
投資の専門家は、投資の世界を理解するために「テニスの試合」を例えに使っています。
A. 勝者のゲーム(プロのテニス) プロのテニスプレイヤーの試合では、ほとんどミスが起こりません。試合は、目を見張るような素晴らしいショットや、相手を打ち負かす最高のファインプレーをした方が勝ちます。プロが戦う投資の世界も、かつてはこのような「勝者のゲーム」でした。
B. 敗者のゲーム(アマチュアのテニス) 一方、私たちのようなアマチュアのテニスはどうでしょうか?ラリー(打ち合い)が長く続かず、ボールがネットに引っかかったり、ラインの外に出たり、ミスでポイントが決まることが多いですよね。アマチュアの試合は、ミスが少ない方が勝ちます。
【投資はアマチュアテニスと同じ!】 現代の投資の世界は、このアマチュアのテニスと同じ「敗者のゲーム」になりました。
なぜなら、プロの投資家が多すぎるため、彼らを打ち負かすようなすごいファインプレー(市場平均を大きく上回るリターン)を狙っても、ほぼ成功しないからです。私たちが勝つ唯一の方法は、個別株を売買するタイミングを間違えるなどの「自分のミス」を最小限に抑えることなのです。
なぜ市場平均を上回ろうとすると失敗するの?
多くの投資家は、市場平均のリターン(平均点)では満足できず、それ以上の利益(高得点)を取ろうとします。しかし、これは非常に危険な行為だと、この本は警告しています。
【危険な運転】 市場平均を上回ろうとする投資は、法定速度よりも時速10km以上速いスピードで車を運転するようなものです。
運転で求められるのはレースではありません。少し速く走ったところで、事故を起こさずに安全に目的地にたどり着くことが一番大事ですよね。
インデックス投資は、この「ほどほどのスピードで無難に目的地にたどり着く」運転です。しかし、市場平均を上回ろうとスピードを上げると、確かに誰かのミス(事故)で自動的に勝つかもしれませんが、自分がミスをして事故を起こす可能性も高くなります。
2. なぜプロでも勝てないの?インデックス投資が最強の理由
プロの9割はインデックス投資に負けている!
1年では約7割、10年では約8割、15年では約9割が、市場平均を下回っていた。
多くの人が、「投資で勝つにはプロの投資家に任せるべきだ」と考えますが、実際はそうではありません。プロの投資家でも、市場を上回る成績を出し続けることは非常に難しいのです。
驚くべきことに、投資を始めて15年以上経つと、インデックス投資よりも良い結果を出しているプロの投資家は、全体の10%以下になってしまいます。つまり、90%以上のプロがインデックス投資に負けているのが現実です。
これは、市場が非常に効率的(情報がすぐに株価に反映される)で、プロでも短期的な値動きを正確に読むことは極めて困難だからです。アマチュアがプロに勝とうとするのは、「100年早い」とさえ言われています。
最強の武器は「コストの低さ」
投資において、唯一確実なのは手数料(コスト)です。手数料は、株価が上がっても下がっても、必ずあなたの資産から差し引かれるお金です。
この本では、手数料や管理費がかかることで、投資は「マイナスサムゲーム」になってしまっていると指摘しています。
インデックス投資が優れている最大の理由の一つは、手数料が圧倒的に安いことです。
【手数料の大きな差】 もしあなたが100万円を投資する場合を考えてみましょう。
| 投資方法 | 年間の手数料(信託報酬の例) |
|---|---|
| プロに任せる(アクティブファンド) | 約1%(約1万円)かかることが多い |
| インデックス投資 | 約0.05%〜0.09%(約500円〜900円)で済む |
長期で見ると、この手数料の差が「複利の効果」で雪だるま式に広がり、あなたの資産に大きな差を生むのです。手数料を最小限に抑えることが、長期的なリターンを最大化する鍵です。
タイミングを計るな!「稲妻が輝く瞬間」を逃すな
私たちは、「株価が一番安い時に買って、一番高い時に売りたい」と考えがちです。しかし、いつ株価が上がるか、いつ下がるかを正確に予測するのは極めて困難です。
過去72年間を見ても、たった5日間の大きな上昇期間を逃しただけで、利益が半分になってしまったというデータがあります。この大きな上昇が起こる瞬間を、本では「稲妻が輝く瞬間」と呼んでいます。
この「稲妻が輝く瞬間」の利益を確実につかむためには、相場から離れず、常に投資し続けること(ずっと買いっぱなし)しかありません。タイミングを見計らうのは、もはやギャンブルに近い行為なのです。

投資に時間を取られない!最高のコスパ
個別株に投資する場合、企業の業績を調べたり、ニュースをチェックしたり、財務報告書を読んだり、頻繁に株価を確認したりと、たくさんの時間と手間がかかります。忙しい私たちに、そんな時間はありません。
インデックス投資の大きなメリットは、投資にほとんど時間を取られないことです。
S&P 500などのインデックスファンドは、アメリカの有力な500社など、市場全体に分散して投資してくれます。そのため、個別の企業の業績やニュースを調べる必要がありません。
インデックス投資は、一度始めたら長期間ほったらかしにしておけるため、その分の時間を自分の本業や勉強、趣味、家族との時間など、もっと有意義なことに使うことができます。
3. 投資を成功させるための「シンプルなルール」(実践編)
ルール 1:相場を信じて「長期保有」し続けること
投資で最高の成果を残すのは、「株式に投資して、長期間そこに留まっている資金」です。
なぜなら、株式の収益率は、短い期間で見ると大きく変動しますが、長期で見れば見るほど、平均的な数値(リターン)に落ち着いていくという性質があるからです。20年や25年といった長い期間持ち続ければ、安定して平均的なリターン(約10%弱)に近づきます。
この本では、最初に決めた投資の方針や計画をしっかり書き出し、市場がどんな状況になっても慌てずに、ただそこに留まり続けることが大切だと強く述べています。
【順番待ちの列】 デパートのレジで列に並んでいる時、「あ、隣の列の方が進みが早いかも!」と思って、列を変えたくなる時がありますよね?でも、列を変えた瞬間に、もとの列の方が早くなって後悔する、という経験はありませんか?
投資でも同じです。目先の成績が悪いからといって、運用期間を変えたり、商品を解約して買い直したりするのは、手数料や効率の悪さから、後悔する結果になることが多いのです。
ルール 2:「ドルコスト平均法」で毎月コツコツ積み立てる
投資のタイミングを計るのが無意味であるなら、どうやって株を買えばいいのでしょうか?その答えが「ドルコスト平均法」に基づいた毎月の積み立て投資です。
これは、株価が上がっても下がっても、毎月決まった日に、決まった金額(例えば毎月3万円)を投資し続けるというシンプルな方法です。
【メリットとデメリット】
| 行動 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ドルコスト平均法 | 株価が安い時は多く、高い時は少なく買うため、平均購入価格が安定し、リスクを分散できる。暴落時も冷静に「バーゲンセールだ!」と考えて株を買い続けられる。 | 毎月淡々と続けるため、派手な利益は狙えない。 |
特に、相場が大きく暴落している時期こそ、未来の成長のために安く株を仕込むチャンスだと考えましょう。感情に流されず、無理のない範囲で淡々と積み立てを続けることが、長期的な資産形成の鍵です。

ルール 3:長く投資できる人ほど、株式の比率を高くできる
投資では「リスクを抑えるために、株式と債券を組み合わせましょう」と言われます。
この本では、投資できる期間が長い人ほど、株式の比率を高めに持つことを検討してよいという考え方が示されています。株式は短期間では上下が激しいものの、長い期間で見れば成長を取り込みやすいからです。
ただし、これは「債券がいらない」という意味ではありません。何年後にそのお金を使う予定なのか、途中で値下がりしても耐えられるかによって、ちょうどよいバランスは人それぞれ変わります。年齢が上がって使う時期が近づくほど、値動きの小さいものを増やすのが一般的な考え方です。
ルール 4:個別の銘柄ではなく「市場全体」を買う
インデックス投資をするなら、具体的に何を買えばいいのでしょうか。
この本が一貫して勧めているのは、特定の会社を選ぶのではなく、市場全体に広く分散された、手数料の安いインデックスファンドを買うことです。
日本で買えるものだと、アメリカの主要企業に投資するS&P500連動型や、世界中の株式に分散する全世界株式(オールカントリー)型などが、この考え方に当てはまります。
どれを選ぶかよりも大切なのは、手数料が安いことと、途中でやめずに続けることだと本書は繰り返し説いています。
本書には、おどろくようなデータが出てきます。運用のプロが選んだ投資信託でも、1年では約7割、10年では約8割、15年では約9割が、市場平均を下回っていたというのです。
つまり、期間が長くなるほどプロは勝てなくなっていきます。毎日相場を研究している専門家でさえこうなのですから、私たちがプロ以上の成績を目指すのは、かなり難しいことだと分かります。
【体験談】この本を読んで、私が始めたこと
ここからは、実際にこの本を読んだ私の話をさせてください。
タイトルにつられて手に取りました
正直に言うと、きっかけはタイトルです。
「敗者のゲーム」ってなんだろう、そんなゲームがあるのかな、と単純に気になりました。そして同時に、「じゃあその逆は何なんだろう?」とも思いました。
負けるほうのゲーム、という言い方が引っかかって、その中身を知りたくなったのです。
一番なるほどと思ったのは「負けなければ勝ち」
読んでいて一番腑に落ちたのは、投資においては負けなければ勝ちだという考え方でした。
投資というと、どうしても「どれだけ増やせるか」「いかにうまく当てるか」という話だと思ってしまいます。でもこの本は、その逆を言います。大きく勝とうとする人ほど失敗する。だから、失敗しないことに集中したほうがいい、と。
勝ちにいくのではなく、負けないようにする。この発想の切り替えは、投資以外のことにも当てはまりそうだと感じました。
読んだあとに始めたこと
この本を読んで、実際に行動したことがあります。
インデックス投資を始めました。
個別の銘柄を選んだり、買う時期を考えたりするのをやめて、決めた額を淡々と積み立てる形にしました。
正直なところ、これが本当に正解なのかは、まだ分かりません。投資の結果が見えてくるのは何年も先の話だからです。それでも、「何を買うか」「いつ買うか」で毎回悩まなくてよくなった分、気持ちはずいぶん楽になりました。
この本のいいところは、やることを減らしてくれる点だと思います。
この本をおすすめしたい人
私が読んでほしいのは、人生を好転させたいと思っている人です。
投資というと難しそうに聞こえますが、この本が教えてくれるのは「難しいことをやらなくていい」ということです。がんばり方を間違えていたかもしれない、と気づかせてくれる本だと思います。
※投資は元本が減る可能性もあります。この記事は本の紹介であり、特定の商品をすすめるものではありません。実際に始めるときは、ご自身で調べたうえで無理のない範囲で判断してください。
4. 読者が行動したくなる結論:シンプルこそが最強の武器
この本が教えてくれる投資の成功法則は、医師が「うがい手洗いをしましょう」と言うのと同じくらいシンプルで簡単なことです。
歯磨きや宿題のように、誰でもできる簡単なことを毎日、丁寧に、サボらずに続けるのが一番大切なのです。投資の世界でも、ムダな知識や難しい予測は必要ありません。
あなたが今日から始めるべきシンプルな行動は、次の二つだけです。
- 貯蓄を始める: まずは投資に回せる元手(元本)を作りましょう。
- インデックスファンドを買って「放置」する: タイミングを考えず、手数料の安いS&P 500や全世界株式を毎月決まった額で買い続け、長期間、そこに留まり続けるのです。
相場が大きく上がっても調子に乗らず、大きく下がっても怖がらずに、「何もしない」という選択肢を選ぶ勇気を持ちましょう。
あなたが投資で失敗しないためのバイブルとして、この本は世界中で100万部以上読まれ続けている鉄則を教えてくれます。さあ、あなたもこの本を手に取り、複雑なゲームを避けて、シンプルかつ確実に勝つ人生の主人公になりませんか?
- Q子どもが読んでも役に立ちますか?
- A
考え方の部分は役に立ちます。「大きく勝とうとするほど失敗する」「地道に続けたほうが強い」という話は、勉強やスポーツにもそのまま当てはまります。
- Q投資をしたことがなくても読めますか?
- A
読めます。専門的な予測や難しい分析はいっさい出てきません。テニスの試合にたとえて、なぜ「ミスをしないこと」が大事なのかを説明してくれるので、投資の経験がなくても理解できます。
- Qインデックス投資なら、必ずもうかりますか?
- A
いいえ、必ずもうかる方法はありません。値下がりすることもありますし、元本が減る可能性もあります。この本が言っているのは「確実にもうかる」ではなく、「大きな失敗を避けやすい」という点です。
- Q似たような投資の本との違いは何ですか?
- A
「何を買えば儲かるか」ではなく、「なぜ多くの人が失敗するのか」を説明している点です。世界中で読まれ続けているロングセラーで、投資の考え方の土台をつくる本として知られています。



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