「テストで良い点を取った時はうれしかったのに、次のテストで悪い点を取ったら、すごく落ち込んじゃった……」 「友達に褒(ほ)められた時は自信満々だったのに、怒られたら一気に自信がなくなっちゃった……」
そんなふうに、あなたの「自信」は上がったり下がったりしていませんか? 実は、本当に心が強い人は、周りの人の言葉やテストの点数で、自分の自信をグラグラさせません。 どんなことがあっても、折れにくい心を持っているのです。
今日は、有名なIT企業がたくさん集まるアメリカの「シリコンバレー」の習慣と、最新の研究結果から生まれた「二度と下がらない『鋼(はがね)の自己肯定感(じここうていかん)』の作り方」を、誰にでもわかるようにやさしくお話しします。
難しい修行(しゅぎょう)は必要ありません。 読み終わるころには、ありのままの自分でいることが、少し楽しく思えるようになるかもしれません。
この本ってどんな本?
| 本の名前 | 鋼の自己肯定感 「最先端の研究結果×シリコンバレーの習慣」から開発された“二度と下がらない”方法 |
|---|---|
| 書いた人 | 宮崎直子(みやざき なおこ)/シリコンバレーで22年暮らし、働いてきたライフコーチ |
| 出版社 | かんき出版(2022年) |
| どんな話? | ありのままの自分を無条件に受け入れる「本当の自己肯定感」とは何かを説明し、それを育てる言葉・思考・行動の習慣を紹介する本 |
| こんな人に | 人の評価や失敗で、すぐに落ち込んでしまう人/自分のことを好きになれない人 |
著者の宮崎直子さんは、IT企業で働き、ソフトウェア会社の起業も経験した人です。アドラー心理学やポジティブ心理学を学び、ライフコーチとして活動しています。
1. そもそも「自己肯定感」ってなんだろう?
最近、「自己肯定感(自分を大切に思う気持ち)」という言葉をよく聞くようになりました。 でも本によると、多くの人が、自己肯定感のことを勘違(かんちが)いしているそうです。
「役に立つから好き」は自己肯定感とはちがう
私たちはよく、こんなふうに考えてしまいます。 「お手伝いをして、人の役に立ったから自分はえらい!」(自己有用感) 「勉強やスポーツが、みんなよりできるから自分はすごい!」(自己効力感)
たしかに、これらも大切な気持ちです。でも、これだけで自信を作ってしまうと、自信がグラグラしやすくなります。なぜなら、「役に立てなくなった時」や「自分よりすごい人が現れた時」に、自信が大きく下がってしまうからです。 ケガをして何もできなくなったり、テストで0点を取ったりしても、変わらずに自分を好きでいられるでしょうか?
本当の自信は「赤ちゃんへの愛」と同じ
本当に正しい自己肯定感とは、「ありのままの自分を、無条件(むじょうけん)に受け入れて愛すること」です。
例えば、生まれたばかりの赤ちゃんを想像してみてください。 赤ちゃんは、自分でお金を稼(かせ)ぐことも、テストで100点を取ることもできません。泣くことと、ミルクを飲むことしかできません。 でも、お父さんやお母さんは、そんな赤ちゃんを「そこにいてくれるだけで大好きだよ」と、無条件に愛していますよね。
その愛情を、自分自身に向けてあげるのです。 「失敗しちゃった自分」「怒りっぽい自分」「何もできない自分」。 そんないいところも悪いところも全部ひっくるめて、「私がここにいる。それだけで価値があるんだ!」と思うこと。それが、鋼の自己肯定感の正体です。
2. あなたの自信をグラグラさせる「4つの落とし穴」
では、なぜ私たちの自信は上がったり下がったりしてしまうのでしょうか? 本では、自己肯定感を上げ下げする「4大要因」が紹介されています。この記事では、これを「4つの落とし穴」と呼びます。これを知っておけば、落とし穴を避(さ)けて通ることができますよ。
① 他人からの評価(ひょうか)
「友達に服をダサいと言われて落ち込んだ」 「先生に褒められてうれしかった」 このように、他人の言葉で自信が上下していませんか?
子供の頃は、大人に褒められないと生きていけなかったので、気にするのは当たり前です。でも、「他人があなたをどう思うか」は、あなたにはコントロールできません。自分でコントロールできないものを気にしている限り、心はいつまでも休まりません。他人の評価は「ふーん、あなたはそう思うんだね」と受け流すのがおすすめです。
② 周りの人との比較(ひかく)
「〇〇ちゃんより足が遅いから、私はダメだ……」 私たちは学校で、「誰が一番か」を競う競争社会(きょうそうしゃかい)で育ってきました。
でも、人と比べて自分の価値を決める必要はありません。 金子みすゞさんの詩にある「みんなちがって、みんないい」という言葉の通り、人より優(すぐ)れていることが幸せなのではなく、自分のペースで能力を発揮(はっき)することが一番の幸せなのです。
③ 失敗と成功の勘違い
「失敗したら恥(は)ずかしいから、やらない」 こう考えてしまう人は、「人間の能力は生まれつき決まっていて、変わらない」と思い込んでいます(固定マインドセット)。
でも、「人はいつからでも、どこからでも成長できる!」(成長マインドセット)と考えてみてください。 そうすれば、失敗は「自分のダメさの証明」ではなくなります。 失敗は「このやり方はダメだったという、良いデータが取れた」と考えればいいのです。失敗を恐れず挑戦(ちょうせん)し続けることが、成功につながっていきます。
④ 予想外のトラブル
病気になったり、事故に遭(あ)ったり。生きていれば、自分ではどうしようもない不測(ふそく)の事態が起こります。
映画『スーパーマン』で主役を演じた有名な俳優さんは、馬から落ちる事故で、首から下がまったく動かせなくなってしまいました。 普通なら「もう人生終わりだ」と絶望(ぜつぼう)しますよね。でも彼は、動かない体をそのまま受け入れ、「今の自分にできることは何だろう?」と前を向き、なんと映画の監督(かんとく)として見事に復活したのです。 トラブルが起きても、ありのままを受け入れる心があれば、道は開けていくはずです。
3. 「鋼の自己肯定感」を育てる3つの魔法(言葉・思考・行動)
落とし穴の正体がわかったところで、いよいよ「鋼の自己肯定感」を育てる方法をお伝えします。 自己肯定感は、「言葉」「思考(考え方)」「行動」の3つの車輪(しゃりん)が組み合わさってできています。 今日からできる3つの魔法(ワーク)をやってみましょう!
魔法1:言葉のワーク(自分に魔法をかける)
人間は、1日に1万回以上も考え事をしています。そして驚くことに、そのうちの80%は「ネガティブなこと(私ってダメだな等)」を考えていると、科学の研究でわかっています。 脳は、あなたが言った言葉の「証拠(しょうこ)」を集めるのが大好きです。ネガティブな言葉ばかり使っていると、脳は「ほら、やっぱりダメだった」という証拠ばかり探してしまいます。
だから、毎日鏡に向かって、「私は自分が大好きです」「私はツイている!」と声に出して言ってみましょう(これをアファメーションと呼びます)。 必ず「私は」という主語をつけるのがポイントです。 もし恥ずかしかったら、「私は少しずつ、自分を好きになりつつあります」と現在進行形にしてもOKです。これを3週間続けるだけで、脳は「自分が素晴らしい証拠」をどんどん集め始めてくれますよ。
魔法2:思考のワーク(感情をコントロールする)
嫌なことをされた時、人は怒ったり落ち込んだりします。 でも、そんな時はこう考えてみてください。 「人を傷つける人は、その人自身が深く傷ついているんだ」(Hurt people hurt people)と。
クラスのいじめっ子も、もしかしたらお家で親に怒られてばかりで、寂(さび)しい思いをしているのかもしれません。自分に自信がなくて、誰かをいじめて強がっているのかもしれません。 そう考えると、「なんだ、可哀想(かわいそう)な人なんだな」と思えてきませんか? 相手を許すことは、相手のためではありません。あなた自身の心を平穏(へいおん)に保つために、とても大切な考え方なのです。
また、友達をうらやましいと思う「嫉妬(しっと)」の気持ちが湧いたら、「嫉妬くん、久しぶり! 私が欲しいものを教えてくれてありがとう」と、心の中でキャラクターに名前をつけて挨拶(あいさつ)してしまいましょう。 そうやって感情を上手に切り替えることが、心を守る盾(たて)になります。
魔法3:行動のワーク(幸せホルモンを作ろう)
言葉と考え方が変わったら、最後は「行動」です。 人間の脳には、気分を明るくしてやる気を出させてくれる「幸せホルモン(セロトニンなど)」があります。これをたくさん出すための、とっておきの方法が3つあります。
- 運動する: 散歩やダンスなど、体を動かすと脳がスッキリします。
- 自然とふれあう: 太陽の光を浴びたり、動物と遊んだりすると心が落ち着きます。
- 昼寝(ひるね)をする: なんと、30分以下の短い昼寝は、ストレスを減らして免疫力(めんえきりょく=病気と戦う力)を高める効果があるんです! 疲れたら無理せず、コロンと寝てしまいましょう。
4. この考え方のメリット・デメリット
「鋼の自己肯定感」を育てる方法について、良い点と注意点をまとめてみました。
| メリット(良いところ) | デメリット(注意点) | |
|---|---|---|
| 心 | 誰かと比べないので、周りの目を気にせず、安心していられる時間が増えます。 | 人の評価を気にしなくなる分、「わがまま」になりすぎないよう注意が必要です。 |
| 行動 | 失敗を恐れなくなり、新しいことにどんどんチャレンジできるようになります。 | 魔法の言葉(アファメーション)は、効果が出るまでに数週間続ける根気が必要です。 |
| 人間関係 | 相手を許せるようになるので、イライラが減り、人に優しくしやすくなります。 | 自分をいじめる人からは、スッと距離を置く勇気を持つ必要があります。 |
5. 実際に読んでみた私の体験談
読んだきっかけ:誹謗中傷を振り払う力がほしかった
今の情報化社会の中には、いろいろな誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)があります。自己肯定感は、それらを振り払える力として、とても大事な能力だと思います。
そんな自己肯定感を取り上げているこの本に、興味を持ちました。
いちばん共感したこと:ありのままの自分を、無条件に受け入れる
本の「ありのままの自分を、無条件に受け入れて愛すること」という考え方に共感しました。
条件付きの自己肯定感は、その条件が崩れたときや、ほめ言葉をもらえなかったときに、崩れてしまいます。自己肯定感は、いつでもしっかり持てていたほうが良いものです。だからこそ、他人に頼るものより、自分で作り出せるもののほうが効果が高いと思いました。
読んだあとにやったこと:他人からの評価を気にしない
読んだあと、他人からの評価を気にしないようにしました。
やってみて変わったこと:「なんとかなる」と思えるようになった
気持ちが楽になりました。そして、自分で自分をほめられるようになりました。
その結果、自分で自己肯定感を作れるようになり、ちょっとした失敗なども「なんとかなる」と考えられるようになりました。
この本をおすすめしたい人
これからの社会では、他人が自己肯定感を与えてくれることは少なくなっていくと思います。それならば、自分で自分に与えるしかありません。
そのヒントをこの本から読み取って、これからの生活に役立ててもらいたいです。すべての人にこの本を読んでもらい、自信あふれる生活を手に入れてほしいと思います。
自己肯定感や自信については、『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』と『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』の要約記事でも紹介しています。
毎日の小さな習慣で自分の機嫌をとる方法は、『自分をよろこばせる習慣』の要約記事で紹介しています。
【耳で聴きたい人へ】『鋼の自己肯定感』は、オーディオブックの「audiobook.jp」でも配信されています(再生時間 約5時間35分)。通勤や家事の時間に聴けるので、忙しい人でも読み進めやすいです。
6. まとめ:あなたは、あなたの大親友になろう!
今日学んだ、折れにくい「鋼の自己肯定感」を作るポイントをおさらいしましょう。
- 自己肯定感とは: 役に立つからではなく、ありのままの自分を無条件に愛すること。
- 4つの落とし穴を避ける: 他人の評価、人との比較、失敗への恐怖、不測の事態に振り回されない。
- 言葉のワーク: 「私は自分が大好きです」「私はツイている」と毎日言う。
- 思考のワーク: 人を傷つける人は傷ついている人。相手を許し、嫉妬を味方にする。
- 行動のワーク: 散歩や昼寝をして、幸せホルモンをたっぷり出す。
シリコンバレーで働く人たちは、もし会社を急にクビになったとしても、「やった! これで前々からやりたかった勉強ができるぞ! ラッキー!」と考えるそうです。 どんな状況でも、自分には価値があると信じているから、そんなふうに前向きになれるのですね。
人間は、いつからでも、どこからでも変わることができます。 あなたの人生で、一番長く一緒にいるのは「あなた自身」です。 だから、自分をいじめる最大の敵になるのではなく、どんな時も味方でいてくれる「世界一の大親友」になってあげてくださいね。
もし途中でうまくいかなくても、絶対に自分を責めないでください。 少しずつ、自分のペースで進んでいけば大丈夫です。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 この記事が、あなたが自分をもっと好きになり、明日からキラキラ輝(かがや)くためのヒントになればとってもうれしいです。 あなたの心が、いつも温かい愛と自信で満たされますように!
- Q心理学などの専門用語が多くて難しくないですか?
- A
いいえ、わかりやすく書かれていると思います。「アファメーション」などの言葉も出てきますが、日常の例を使って説明されているので、ふだん本を読まない人でも読み進めやすい本です。
- Qシリコンバレーのビジネスマン向けの本ですか?
- A
いいえ、年齢や立場に関係なく読める本です。シリコンバレーの習慣がもとになっていますが、紹介されているのは「自分にポジティブな言葉をかける」など、学生や主婦の方でも今日から始められることが中心です。
- Qこれまで自己啓発本を読んでも変われませんでしたが、効果はありますか?
- A
一時的に気分を上げる本ではなく、「ありのままの自分を受け入れる土台」を育てるための本です。言葉・思考・行動の3つの習慣を、少しずつ続けていくことで、変化を感じやすくなると思います。


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